ゴトウ

サンクチュアリ -聖域-のゴトウのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.5
めちゃくちゃ面白い!ゴールデンウィークで一気見してしまった。こんなベタなド直球スポ根でボロボロ泣かされるとは。一ノ瀬ワタルとピエール瀧の並びは『宮本から君へ』の胸糞親子を思い出してしまうけれど、これが初主演作という一ノ瀬が演じる主人公・清はとてもチャーミング。これくらいのメンタルを持ってたらもう少し日々を明るく過ごせるかも……とか勝手に思ったり、力士の取り組みに勝手に感情移入して泣いてると、「なんしよん?気持ち悪っ」と笑われそう。礼儀も何もない不良がスポーツに出会って熱くなって、周りもいつしか感化されて…って書いててもベタすぎでなんてことないようにしか思えないと思うけれど、間違いなくおすすめしたい。結局「泣かすなよ……問題児のクセに……」に泣かされてしまうんですよね!

あり得ないくらい露悪的な母親、意地悪すぎる犬嶋親方、言ってることが深すぎてわけがわからない龍谷親方とか、本当にわかりやすくマンガチックなキャラ付けなのですが、力士の稽古や取り組み場面はかなり生っぽい肉体のぶつかり合いなのでそこまで空々しさは感じなかった。あの体の人たちをこれだけ集めたのがすごい。清は自分の心情をそこまで説明するようなキャラクターではないし、アツくなっている状況や人を茶化しがちなのだけれど、その分脇がガチガチに固められていてこれがまた泣かせる。一話で清水が相撲が好きで仕方ない気持ちを吐露しつつ、清を説得する場面、染谷将太の演技で思い出し泣きできるレベル。頭でっかちに相撲非難してみたり、と思いきや盛り上がって清にあれこれ期待する国嶋(この辺は大いに自分と重ねざるを得ない)も、忽那汐里の演技が嫌味にならないラインのキャラクターに収まっていて、最後にはもらい泣きさせられてしまった。

清が街中を「頑張れ」「写真撮って!」と言われたり「フラフラしてんな!」と言われたりしながら走る場面がすごく好きで、実際あんな型破りの力士がいたらかなり非難されるだろうけれど胸がスッとする(国嶋に言わせれば『沸く』か)人もいるだろうな〜とワクワクさせられた。SNSでアンチにリプでブチ切れる清、完全に朝青龍。幼い頃にラジオで応援してたのも朝青龍だったしな……。

元力士の俳優や芸人を集めたキャスティングは大変でしょうが(染谷将太とか、痩せたり太ったりでとんでもない体作りしたのでは)ぜひともシーズン2が観たい…あっさり静内に負けて腐ってる清も見たいし、改心の兆しもあった七海と国嶋のバチバチも見たい…。龍谷部屋周り、猿将部屋の女将さん周りでまだまだ描かれてない話もあるし、作る気でいるんじゃないかと思うけど!オイ猿桜!今のところ「ぶっ壊す」どころか角界に全力適応してないか?!「角界の古い体質」みたいなのもそのままだったしさ…「女が土俵上がるな」とか…。続きも観たいし、海外受けしそうな気もするし、シーズン2ぜひ…!
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