こすけ

サンクチュアリ -聖域-のこすけのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.0
ファブルの監督さんと、半沢直樹の脚本さんが、タッグを組んだ王道現代風昭和スポ根ドラマです。親が借金で苦しむ不良少年が様々な出来事を通じて、相撲に真剣に取り組み、横綱を目指していくお話です。



相撲のドラマということで、今までは国技と言えど相撲は身近に感じることはなく、白鴎すごーいくらいしか思っていませんでしたが、相撲を身近に感じたと同時に、その土俵という聖域に詰まっている野望を節々と感じることができました。


株で儲けているお金持ちが出てきたり、SNSでの闇みたいなものも表現されていて、現代での出来事であることを感じますが、相撲に関しては、四股を踏むことを何よりも大切なものとして一貫して描いているので、まるで相撲の瞬間だけタイムスリップしているような気がしました。そこで少林サッカーのような現実離れしたことが描かれてしまうと、相撲の本当の魅力が伝わらないだけでなく、見ている人も猿桜と一緒に相撲を取れなくなってしまうと思います。



不良少年が心身共に成長して、一躍スターに駆け上がるシナリオは、様々な分野で描かれてきたストーリーですが、悪者と味方がしっかりと対比で描かれていてわかりやすく、素直に猿桜を応援できるそんな作品でした。ピエールさんも色々ありましたが、素晴らしい迫力と人情味あふれた親方を演じることができていました。

後ろに描かれている守破離という言葉は、剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(コトバンクより)という意味だそうです。

そこで終わるの!?という感じでしたが、続編に期待です。
こすけ

こすけ