他競技でありながら日本のドラマで最もロッキーに近づいた王道スポ根だ。タニマチ・八百長問題・過度なかわいがりや土俵の女人禁制などのタブーにも踏み込む角界に対する批判的な視点と、純然たる競技としての「相撲」と「力士」たちの美しさが並行して描かれるグローバルなバランス感覚が良い。これは地上波ではできない配信ドラマならではの魅力だと思う。
不良力士で礼儀知らずだった猿桜が、自らの身体で文化を理解したからこそ必然的に礼節を供えていく様にグッときた。
壮絶な過去をもつライバル力士の静内の怪物的な佇まいのマンガ的な画力も素晴らしかった。それぞれの十字架を背負って土俵でクロスする様はさながらジョーと力石のよう。
実際自分は相撲には興味がなかった人間なんだけど、これを見ると少し見る目が変わった気がするので啓蒙的にもいいドラマだったのではないかと思います。
