汽笛の音で目を覚ます

サンクチュアリ -聖域-の汽笛の音で目を覚ますのネタバレレビュー・内容・結末

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

漫画的展開で質のいいスポ根もの。面白かったです。

ただ、そんなに絶賛されるほどの作品かと言われたら、少し首をかしげたくなりました。申し訳ない。

もちろん一ノ瀬ワタルや染谷将太などの役者陣の演技や役作りは素晴らしい。ただ、それに誤魔化されちゃってるけど、ストーリー自体は凄くベタ。終盤のトレーニングするシーンは頭の中でロッキーのテーマが流れてた。こういう展開だけを見ると30年前に流行った映画やドラマの模倣感もある。

あと、ここからが最も微妙だったところなんだけど、色々と美化されちゃいけないところまで美化されちゃってるのが残念だった。人によっては熱くなれる部分なのかもしれないけど、自分はそれでちょっと冷めた。

あと、真実を追求するのが記者だみたいなくだりが前半であったから、忽那汐里が演じる記者が、猿桜を記者として守るみたいな展開くるんだろうなと思ったら、もはやただのファンで終わる。相撲に興味ない女性でもハマれるぐらい相撲は魅力的なんですよー、っていうのがやりたいだけ?流石にそれはメッセージ性として都合が良すぎるし、相撲賛歌が過ぎる。

正直、猿桜も記者も型にハマらないスタイルで角界を席巻するドラマが見たかった。結局どっちも迎合しちゃって、最終的に型にハマっちゃってる感は否めない。時代的にそぐわない古い慣習なんかクソ食らえだの精神でいってくれたほうが、まだ良かった。

もっと言うと、八百長のもみ消し、過去に何か抱ええてそうな七海、龍貴の親子関係とか、言い出したらキリがないけど、色んな問題が全て尻切れトンボ状態で終わっていく。

シーズン2前提で作るドラマはあんまり好きではないというのもあるけど、個人的にああいう感じで終わらせるのは製作陣の逃げにしか思えなかった。

ただ、色々と言いたいことはあったけど、なんだかんだで面白いドラマではあった。