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サンクチュアリ -聖域-のbluebeanのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
3.5
礼儀知らずで無茶苦茶な主人公の振る舞いがあってもリアリティがある感じを失わせないほど、相撲シーンの本物感がすごかったです。取り組みシーンはまるで相撲中継を見ているようです。変にドラマチックなカメラワークをせずに、節度のある構図で撮っていたのも一役買っていそうです。

才能はあるが底辺にいる主人公が、成功しかけてからどん底に落ちて、そこからまた這い上がっていくという展開は、スポーツものの鉄板であるがゆえに、観ているこちらも燃えざるをえません。7話の盛り上がりは本当に最高潮で、ものすごいカタルシスでした。誰かのために戦うものが強さを得る、というのも鉄板ですが、心に刺さります。

礼儀作法から入って、それによって心を整えていくというのが武道などの正しい修行法なのかもしれません。一方で、本作が見せるような、心が整うことで、結果として無意識から礼儀作法という動作が生まれてくる美しさは、それはそれで素晴らしいな、と感じます。

本作はとにかく汚いものと美しいものの対比がすごいです。トイレのシーンからの桜のシーンへの切り替えなんて見事でした。砂まみれになって稽古をする力士のお尻のアップがあったかと思えば、ほうきで整えられて神様を祀っている土俵の神々しさを見せたりします。
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