serina

ボーイズ・ドント・クライのserinaのネタバレレビュー・内容・結末

ボーイズ・ドント・クライ(1999年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

キンバリーピアース監督2作目

ヒラリースワンクの作品はミリオンダラーベイビーに続いての2作目だったのもあって、彼女の映画からは毎度、疲労感を貰ってる気がする。世の中には残虐なニュースで溢れているけどテレビや新聞で知るのと映画で向き合うのでは重さが違い過ぎる。ティーナの恋人ラナは常に十字架のネックレスを首から下げているのが不穏な展開になるのでは…って思いが募ったけど良かった。

差別をするって残酷なこと。トランスジェンダーを受け入れずに除け者にする人とトランスジェンダーを受け入れずに化け物扱いする人とトランスジェンダーを受け入れずに強姦殺人をする人は、全て同じ部類の人間であって差別に大も小もないんだなって改めて感じさせられた。ラナの母親が印象的。彼女はティーナが女性であることを知った途端に化け物扱いした癖、自分の恋人たちがティーナに暴行を加えると、それはやりすぎだと言う。目に見えない差別をする人になることの愚かさを彼女から感じた。

21歳のティーナの残した手紙が本当に繊細で切なかった。リンカーンにたどり着いて生きて、生理が来ても陰茎がなくても自然と愛し合える方法を見出す未来があったはずなのに。今も差別が理由で命を脅かされてる人がいるのだから、排他的思想の行末を知るためにもこの映画は意味があるね。
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