おもち

ニルマル・プルジャ:不可能を可能にした登山家のおもちのレビュー・感想・評価

3.6
 登山家ニルマル・プルジャを追った作品。
 ネパール出身のニルマルは8000m級の山々14座を踏破する記録を大きく塗り替えようとする。その期間たったの6ヶ月と6日。その登山記録を追うドキュメンタリー。

 よくある自然派ドキュメンタリーではあるけど、やはり登山。生死を分かつやりとりが多くて本格派という感じ。出だしからいきなり別チームでの遭難者を救助しに向かったりと前途多難。ニルマル自身がグルカ兵出身というのもあって幸運すぎるエピソードも交えたりで14座もある登山記録に中だるみはあまり感じなかった。母親思いの話もあってちょっと涙が出そうな感じもあった。あのカンチェンジュンガを一日で登るとはやばい。
 そして登山はやはり強豪マナスル、かと思いきやラストはもうひとつ違う山だったのでちょっと意外だった。登山シーンはさすがに映像として残すには難しすぎるから少なかったけど、わかる人にはわかるこのえげつなさってのは多分作中でかなり出てると思う。
 「登山とは瞑想と同じようなものだ」という台詞が印象的。場合によってはひとつの山の登頂で日を越すなんて当たり前の8000m級の峰の登山をたった6ヶ月で敢行したんだしな、これはとんでもない偉業だと思う。

 登山系ファンには申し分なく良質なドキュメンタリーだった、知らない人でも山を登る過酷さ、そしてこの偉大さが伝わると思う。2時間弱というボリュームもあってオススメッ!
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