MasaichiYaguchi

夢みる小学校のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

夢みる小学校(2021年製作の映画)
3.6
オオタヴィン監督による私立の学校法人「きのくに子どもの村学園」の密着ドキュメンタリーで紹介された「目から鱗が落ちる」内容に、如何に自分が小学校や中学校時代に「お仕着せの教育」を受けてきたのかが分かって呆然としてしまう。
この映画のキャッチコピーに「おとなも子どもも、こんな学校に行きたかった!」とあるが、鑑賞後、実感としてそう感じてしまう。
「きのくに子どもの村学園」の子どもたちには、宿題がない、テストがない、そして「先生」がいない。
その代わりに「プロジェクト」と呼ばれる体験学習の授業を通じて、自分たちでプロジェクトを運営し自らの頭で考える。
この子どもの村の運営スタッフは「楽しくなければ、学校じゃない」と映画の中で発言する。
確かに、これほどまでに目を輝かせて笑顔で学ぶ小学生の姿を見た事がないような気がする。
2020年度から教育指導要領の主題が「アクティブラーニング(自主的探求)」に大きく変わり、激動のAI時代に対応する為に日本の公教育も大きく揺れている。
それを先見するかのように「きのくに子どもの村学園」は、30年前から「体験学習」を実践しているのが映画で紹介される。
更に「体験学習」は「きのくに子どもの村学園」のような私立だけでなく、60年間成績通知表や時間割りがない「体験型総合学習」を続ける長野県の公立小学校である伊那小学校や、校則&定期テストをやめた世田谷区立桜丘中学校という”自由な公立学校”も登場する。
「自分のままでいいんだよ。」という生徒夫々の個性を大事にする学校を観ていると、もう一度学校に入り直したくなります。