“母性とは何か”を問う湊かなえ原作の実写化。母に愛情を注がれて育ち母を想うからこそ、自分の娘に対する愛情のかけ方に混迷する母。
この映画には複数の“母と娘”が登場する。何通りもの愛の注ぎ方があり否定もしづらい。しかし二者の視点がしつこくも感じた。
正直あんまり話にはノレませんでした。
物語の伝えたいメッセージというのは明確で受け取りはできたんですが、そんなに面白いと思えず。
ミステリーとしての打ち出し自体が上手く機能してないんですよね。
最初からヒューマンドラマとして打ち出した方が観た後の印象も良くなる気がしました。
あくまで個人の感想ですが、高畑淳子の演技はやりすぎなんですよね。
絶賛したいぐらい個性は発揮されてたし、確かにとんでもなく記憶には残る役柄だったんですが、最終的な物語の決着を踏まえるとあそこまで露悪的な描き方するのはなんだかなと。
サスペンスに振り切るなら良かったんだけどなぁという感想。
この母と娘、二者からの視点は巧みなようであんまり巧く機能してると思えなかったんですよね。
複数視点のアプローチは色んな映画で使われてる手法だけど、この映画に関しては娘からの視点のみの(母親の視点が欠けた)方が面白くなった気がします。
個人的にはその娘視点での話が観てみたかったなと。
ただ原作はきっと面白いんだろうなって感じました。原作読んでみようかな。
映画自体が文学的な語り手のアプローチなので、小説はむしろこの二者の視点が効きそうな気がします。
〈キャスト〉
ルミ子(戸田恵梨香)
清佳(永野芽郁)
ルミ子の夫(三浦誠己)
ルミ子の親友(中村ゆり)
ルミ子の義妹(山下リオ)
ルミ子の義母(高畑淳子)
ルミ子の実母(大地真央)
神父(吹越満)
中谷亨(高橋侃)
清佳/幼少期(落井美結子)
※2022年新作映画155本目
