カズザク17

母性のカズザク17のレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
3.5
母への愛と母からの愛、それが全て。何をするにも、母が喜んでくれるか?が考える・行動する基準。だから、母と考え方が異なると、不安になる。自分の本当の気持ち・心に蓋をして、気付いていない事にする。母と同じ事を考えていた事にする。自分を歪めた事よりも、母が喜んでくれた事に安らぎを覚える。そんな娘が、母親になった時の物語…。
自分の母親が喜んでくれる事は、そのまま自分の娘の「お婆様」が喜んでくれる事に引き継がれる。娘の言動は、全て「お婆様」が喜んでくれるか?が基準になる。そして、それを強要する…。「お婆様」が喜ぶ=母親が喜ぶなので、結果、娘は2人の「喜ぶ」の為に、自分の気持ち・心に蓋をし、自分を歪めていく。親子の負の連鎖である。
原作の雰囲気を、忠実に再現していた映画だったように思う。直接目に飛び込んでくる実写なので、原作以上に心が辛くなる映画がだった。最後に、少しの幸せが見れた事が救いである。家を出たりっちゃんが、幸せそうなので良かった。相手の人が、本当はいい人で良かったと思う。