mako

母性のmakoのレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
3.9
《母の愛が、私を壊した。》
◎78点

原作: 湊かなえ。
「これが書けたら作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です。」と聞いたので鑑賞。
原作未読。

主な登場人物
*ルミ子(戸田恵梨香)…実母(大地真央)の愛を一身に受け母との仲は良好。母の言うことは正しい、母を喜ばせる事が嬉しい。娘・清佳より母が一番。

*清佳(永野芽郁)…母の愛を知らずに育った。その為、母の愛を渇望し、どうやったら認められ愛されるのか、と思いながら育ってきた。

*ルミ子の実母(大地真央)…上品で優しく理想の母親。娘に愛情をかけ育ててきた。

*ルミ子の義母(高畑淳子)…口が悪く見栄っ張り。実の娘(山下リオ)には甘い。ルミ子の事が気に食わない。

母性とは、女性が、子どもを守り育てようとする母親として持つ本能的な性質や機能。
母性は人それぞれ違うと思う。
女性なら誰しも持ってるものではないと思うし、母性力の強さも人によって違うと思う。
(母性力という言葉はないけど分かりやすく作りました😅)

母性というと温かく包まれるような愛を想像するけど、本作ではそういう愛はあまり見られず、ヒリヒリするような痛みと辛さを感じた。

ルミ子は母から愛情をたくさん受けてきたにも関わらず、娘への愛はない、というのが今までにない感じがした。
母から受けた愛があるから、次は娘へ愛を注ぎ伝えることができるのに、それが出来ない。

ルミ子は母にはなりきれず娘のままだったのだろうなと思って観ていたら、
清佳の「女性には母と娘の二種類が存在する」という台詞に納得しました。

戸田恵梨香さんが、ルミ子に共感出来ない、分からないとインタビューに応えていたけど、私は分かる部分がありました。
それは母に認められたい、褒められたいと思うところ。

私の母は、料理が上手で裁縫も上手く洋服のリメイクもできて、母親とはこういうもの、と思っていました。
ルミ子が母の言う事は正しいと思っていたように、私も母が正しい、と思っていたし、母が基準のようになっていました。(今は違いますよ😅)
だからそんな母に認められ褒められることは嬉しいことでした。
でも、子どもに対する思いはルミ子に共感出来ません。
息子たちの事は大好きだし、何かあったら全力で守りたいと思ってます。


本作では、同じ出来事がルミ子視点と清佳視点で違っています。
同じ出来事でも受け取り方によって違うというのは実生活でもあります。
事実は一つでも真実は人それぞれで違うし、どちらが正しいというのもないと思います。

ルミ子の夫(三浦誠己)が最低でした。自分の母親がルミ子に厳しく当たるのを止めないし、守ってもくれない。挙句、○○してるし!
影薄い割に酷い奴だった。

義母(高畑淳子)の仕打ちにルミ子はよく耐えられるなと思いました。私なら凹みまくりだと思う。

実母(大地真央)が一見、理想の母親のように見えたけど気持ち悪さも感じました。

キャスト陣が皆ハマっててよかったです。


なかなか深い内容でした。
いろんな母性がありました。
賛否両論ありますが、私は楽しめました。

公式ホームページに、あなたはどのタイプ?と言うのがあったのでやってみました。
結果は、ルミ子の実母、お上品ママタイプでした笑

興味がある方はこちらをどうぞ😊
https://wwws.warnerbros.co.jp/bosei/shindan/



観客 22人
劇場鑑賞 #133
2022 #146
mako

mako