冒頭は昭和のお嬢様とその母。
余りにも深い愛と優しさで娘を寵愛する母。娘はむしろそれ無しでは生きられないと無限に母からの愛を欲してゆく。
ギリギリ愛と呼べてしまう狂気の関係を演じる2人の女優のお芝居がまたわざとらしくてコントにも映りこれがまた楽しい。
大好きであった。
物語内で時は過ぎる。最初はにこやかに観てたがどんどん面白くなりどんどん物語に引き込まれる。負の連鎖、負の連鎖！
なんだこれは？と思い途中でスタッフを確認したら原作湊かなえとあった。
嗚呼、だったら面白いはずだ(笑)
国宝級の作家だもんな。
もう大船に乗ったつもりでどっぷり物語に入り込んだ。
物語は終盤〜エンドロールへ。
深い。とにかく一筋縄ではいかないストーリーにのけぞった。湊かなえ無双ですか？
とにかく思い返すとめちゃめちゃ面白かったと。原作はもっとすごいんだろうなと察する。
観た人同士語り合いたくなる内容。包むも愛、縛るも愛、溺れるも愛である。
我々は永遠に得体の知れないこの愛というものにしがみつき、傷つき、振り回され続ける。その毒にも薬にもなり得る愛というものの根元が母性だとしたら？我々は例外なく母親から生まれ、母親固有の母性に触れながら自我の目覚めと共に愛の形を継承
してゆくんだなと。
そんな事を思わせる物語。
戸田恵梨香と永野芽郁というTVドラマ的なポップなキャスティングだったので最初見くびってましたが、非常に深い物語でしたし2人とも良かったです。ごめんなさい。
エンドロールで流れたJ-POPは違和感そのものだった。最後の最後でズッコケ。まさに愛の不時着である。
製作委員会の中に映画を自社アーティストの宣伝の手段としか考えてない者がいたのだろう。
