母(戸田恵梨香)の行動、言動は少しも共感できないし、理解もできなかった。
それでも最後まで観れ、1冊の小説を読み終わったような満足感があった。
鑑賞後、母がなぜああなってしまったのかを考えた。
彼女の母が愛情をかけすぎたから?
いや、愛情にかけすぎるという事はないだろう。
甘やかしすぎたのか?
描かれてはいなかった父の影響?
確実に原因にありそうなのは、彼女が社会にほとんど出ていなかったことにあると思う。
ずっと母親とばかり過ごし、仕事をせず、結婚してからは専業主婦としてとても狭い世界にずっと生きていた。
自分の中の歪みに気付けるチャンスがなかったのではないか。
あれこれと考えていると、親として子を育てること、子を精神的に成熟させることの難しさを感じた。
愛情を注ぐだけではだめそうだ。