TAKI

母性のTAKIのネタバレレビュー・内容・結末

母性(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「子供はいらないかな。」「子供嫌いなの?自分の子供は可愛いって」
「子供は産んだら何とかなるよ。」
私は何度この言葉を聞かされたかわからない
でもこれは全て自分で産んだ事のない男性か産んでどうにかなった人の言葉だ
全ての人が自分の子供が産んだら瞬間から可愛く、産んだらまともに愛情を与え育てられるわけではないと私は思う。
人は自分が親から受けた愛情や育て方、血などは関係なく子育ての経験やかけた時間などによって母性は育ち、それは女性も男性も関係なく、才能のように恵まれる人もいればそうでない人間もいると私は考える

でも子供は違う、生まれた瞬間から母親や父親の愛情を欲し、小さい頃、特に人格形成に関わる3歳まではそれが世界の全てなのだ…
そこの親子の愛情のバランスが上手くとれていないと子供は歪んで育ってしまう…それが私は凄く怖く感じた

ルミ子は母親から愛される事が世界の全てだった、父親の存在は描かれていなかったから、母親にそれは集中する、子は親を見て学び育つのでそんな母親を見て育ったさやかにとってもルミ子は世界の全てであり、愛情を感じていなかったさやかはいつまでも母親の愛情に拘ることになる
父親の愛情が感じられていればまた違ったかも知れないがそんな描写もなかった

最後母親との関係がどうなったのかはよくわからなかったが、さやかは妊娠していたので自分も母になる道を選んだのだろう
愛情を感じられなかった子供は母になれるのだろうか?


思慮深い作品でした
TAKI

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