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母性のeryuのネタバレレビュー・内容・結末

母性(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 母性って、当たり前に感じられるものだと思っていたし、考えてこともなかった。でもこの映画を見て、当たり前ではなくて、誰もが持っているものでもなくて、少しずつ育てていくものなんだと思った。
 戸田恵梨香さん演じる「母」は、自分の母からたくさんの愛を受けていて、それが大好きだからこそ、母から自分の子に注がれる愛を受け入れることができなかった。何十年もかかってしまったけれど、愛を注ぐことができるようになった。
 愛の向かう先が交差してしまったから、その時は愛を感じることも与えることもできなかったのだと思う。きっかけはすごく悲しい出来事だったし、起きてよかったと思ってはいけない出来事だったけれど、愛を与え、心から与え、感じ取ることには時間がかかることなんだと思う。
 出演される女優さん、皆さんが本当に心から演じていた。「演じる」とは何だろうと思うと、一つの答えは「その役を生きること」なのかなと思った。自分じゃない誰かを生きることは、その人の感じてきたこと、背景、環境をたくさん考えて感じていかないといけない。その場ででそれをしないといけないから、たくさん自分自身の経験を積まないといけない。
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