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大河への道のPoMooNのレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
3.5
題名の意味がよくわからず、が、中井貴一が企画したという興味で視聴。思ったより良い作品で面白かった。

内容は200年前、「伊能忠敬」と伊能隊と呼ばれている忠敬と共に地図を作った人々の話だが、面白いのは中心になるはずの伊能忠敬は出てこない。陰で支え、地図完成まで導いた名も無き人達と幕府との交渉役、高橋景保が中心。それを現代の役所勤めの中井貴一と松山ケンイチが大河ドラマにしたいとの奮闘を交互にして流れていく。現代の役柄と江戸時代での役柄が重複し、適材適所なのも◎。深刻にならずコメディタッチで軽く進むのも見やすい。

「伊能忠敬」教科書で習ったのは日本地図を作成した人物。それ以外の情報は無いからてっきり学者なのかとずっと思っていた。そして完成時には伊能忠敬は居なかった事実。制作に着手と完成させた事実の違う事❗️😱

江戸時代は電車も車も無い、移動手段は徒歩だけ。その地図は衛星から見た日本とほとんど違わない緻密さがすご過ぎる。ここでは忠敬亡き後、信念で頑張る伊能隊と出来上がった地図を将軍に献上するシーンは胸を打ち、ほろっとした😢

忠敬が地図に着手したのが50歳をとうにすぎた頃。人生50年と言われる時代だ。さらに忠敬は商人だったのも意外。そして高橋景保(かげやす)は後、調べたらシーボルト事件の主犯として投獄された事も知らなかった。

外国からの侵略、植民地化されないためにも日本国土を知る地図はどれだけ重要だったか、苦労した先人に思いを馳せるのにとても素敵な作品だった。昔の名も無き人達に感謝と合掌🙏
No.1180
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