松原慶太

大河への道の松原慶太のレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
2.7
千葉県香取市の町おこしの一環として、地元の郷士「伊能忠敬」の大河ドラマを誘致しようとする話。発想がおもしろい。

香取市役所のダメ課長(中井貴一)、空気読めない若手(松山ケンイチ)、切れ物の上司(北川景子)、気難し屋の脚本家(橋爪功)と、達者な役者がそろい冒頭のドタバタは期待させる。

中井貴一と松山ケンイチも息が合っている。とくに中井貴一はさいきんコメディも多く、眼鏡をかけると往年の小林桂樹を思わせる安心感さえただよう。

ところがとつぜん舞台が江戸時代に変わり、伊能隊の面々が地図を完成させる話になる。ここが基本的にシリアスベースの話なので、ちょっとリズムに水を差した格好になっている。

やりたかったことは分かるし、将軍様に完成した地図を披露する場面をクライマックスにしたかったんだろうなぁと思わせる。ただ、なにゆえかバランスを欠いた作品になってしまっている。
松原慶太

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