LEO

大河への道のLEOのレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
3.0
千葉県香取市役所総務課主任の池本は、町興しのために郷里の偉人・伊能忠敬を主人公にした大河ドラマを誘致する命を知事から指示され、大物脚本家の加藤とともにシナリオ・ハンティングに取り掛かるが、その最中に“伊能忠敬は『大日本沿海輿地全図』を完成させる3年前に死去していた”という事実に直面する。
そのことで加藤は伊能の大日本沿海輿地全図の完成に尽力した幕府の天文学者・高橋景保を主人公にすると主張するが、何としても伊能忠敬の大河ドラマを作りたい池本は加藤に弟子入りをし…という話。

町興しの視点で作られた歴史と言うと「椿井文書(つばいもんじょ)」を思い出すが、伊能は地図が提出された1821年より3年前の1818年に死亡しその3年間喪が伏せられていたのは事実のようなので、町興しのための作られた歴史とはちょっと違うか。
でも伊能が亡くなって3年も幕府を騙し続けていたならきっと彼は大河の主人公にはならないんだろうなぁと思うし、逆にその空白に目を付けるとは上手いところに目を付けたなぁという感じ。

「伊能は次の間に控えております」
襖がくと大広間いっぱいに大日本沿海輿地図が敷かれている。

ここまでのストーリーはいい。
感動すら覚える。
キャストの演技もGood!(北川景子は相変わらずダイコンだが…)
でもラストの“オチ”は古臭くて何だよソレって感じ。
このオチで、「決してつまらなくはなかったが、映画にするほどの話か?」となってしまった。
残念。

蛇足だが、じゃあ奮闘した高橋景保こそ大河に相応しいのでは?と考えるかも知れないが、実際の高橋景保はこの後シーボルト事件に関与して投獄され45歳で獄死。
しかも遺体は塩漬けにされて保存され、翌年に改めて引き出されて斬首刑になっているから、この人もきっと大河の主人公にはならないだろう。
LEO

LEO