オレンジマン

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズのオレンジマンのレビュー・感想・評価

3.7
2転3転するプロットの中に散りばめられた様々な登場人物と小道具が集められて行くタイプの群像劇で、面白くもありかつかっこよくもある。
主役の4人が特に差異なく、4人で1人として扱われているのがこの作品の良い部分で、かなりわかりやすくなっている。その分アフロとか子供大好きパパとかがキャラとして特徴づけられ(そのための小話も挿入されている)、その人たちがどうなるのかという期待とワクワクが観客を先へと進める。この映画がもつある種のグルーピングは、群像劇においてとても有効な気がする。それぞれの役割をまとめることでわかりやすくし、グループ内の小話で物語を色付ける。
この映画のテンポ感は多くの場所をひゅっひゅっと移ることで、早いペースで維持されているが、途中で挿入される4人がバーでバカ騒ぎするスローモーションのシーンが前半後半を分かつ口直しとして作用し、怒涛の伏線回収に向けて体制を整えさせてくれる。
やはりこの映画は観客に優しい映画だと思う。

ただ、最後のプロットで、銃のカタログは突然すぎないか?それまではしっかり用意してあった小道具がうまく立ち回っていたのに、最後だけこじつけの物証を持ってきたのがもったいない気がする。携帯電話を咥える理由もよくわからないし。とってもかっこいいラストなので気にしちゃいけないのかもしれないけど、気になっちゃったので。
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