Bigs

キアラへのBigsのネタバレレビュー・内容・結末

キアラへ(2021年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます



イタリア映画祭2022@ABCホールにて、ジョナスカルピニャーノ監督『キアラへ』を鑑賞。

イタリア南部、ジョイアタウロを舞台にしたカルピニャーノ監督の3作目。ある事情で父親が失踪し、父を追う娘に焦点を当てた話。

前作『チャンブラにて』とも共通するが、特異なアプローチによってなかなか外側から知り得ない状況や側面がフィクションに落とし込まれ、また対象に対する誠実さを持ちながら静かなドラマとしても成立させていて良かった。

今回も実名の登場人物が多く、スワミー・ロトロ演じるキアラの家族も、実際のスワミーの家族が演じているとのこと。それだからか序盤の家族のシーンは、末っ子のやんちゃさ含め、半分ドキュメンタリーのような生々しい手触りで、だからこそ後半に効いてくる。

前半/後半での撮影スタイルの変化や、序盤と終盤で出てくる同じイベント、ファーストショットとラストショット、と対比的な構成も見事。静的なドラマの中にもあっと驚く長回しのシーンや、キアラの化粧の描き方といった演出の見所も多い。

ジョナスカルピニャーノ監督による、この土地に実際に住み、住民との交流を経て作られた一連の作品はこれで一旦完結のようだが、特異な作家だと思うので今後もできる限り追い続けたい。

前々作『地中海(Mediterranea)』は観れてないのでイタリア映画祭の過去作オンライン上映で配信してくれたりしないかな…

劇中で語られるラファエロの話は監督の姿勢に近いように思えた。自分の目で見てそれをそのまま描写するという。


ボスは手を汚さない、一晩で22万ユーロの儲け、純利のアピール
車爆発、バイクからのロケット花火
バースデーパーティー
同じ場所を走るルームランナー、トラックを走り抜けるラスト
躍動感ある手持ちカメラと接写から、後半は少し引き気味で静止したカメラワークに。自分の視界の範囲しか見れない、無邪気な期間からの、隠された事情を知った状態
子供にはまだ早い、父親は余す所なく見せる、なけなしの誠実さか 姉は事情を知っているのも生々しい
ロマの人たちへの差別意識や断絶
マフィア実動部隊の娘、少しコアなニュース動画で父の事件を知る、いなくなった後も意外とそのままの暮らし、しかし行政による親との隔離・里親
ラファエロ?の話、ありのままの見た姿を描く
検問通過時の緊張感、家の地下室の不気味さ、父親失踪直前の緊張感
Bigs

Bigs