ちろる

私の帰る場所のちろるのレビュー・感想・評価

私の帰る場所(2021年製作の映画)
3.4
とにかく家が欲しい
帰る家がほしい
助けて

妊娠して彼にDVを受けた女性
子育てをしながらホームレス生活をする女性
家族と離れてシェルター暮らしをする女性
トランスジェンダーであることをカミングアウトして家族から縁を切られた男性
911で鬱を発症した男性
さまざまな事情を抱えて、いま住所ない生活を余儀なくされてる人がいる。

ロサンゼルス、シアトル、サンフランシスコ。
どれも憧れを持つ華やかな大都市と、そこに住む華やかな人々、しかし橋の下、大規模商業施設のすぐ横の道など都市のその裏側には夥しい数のホームレスがいて、まさしくアメリカの光と影を目の当たりにする。

支援はあるが、それは限られているし、無事、就職をすることができても最低賃金でも支援が止められてしまうため、働いていた時よりひもじいというねじれ現象が起きてしまうこともある。

一度、住む家を無くすとなかなか、這い上がれない。
そんな現実をこの映像で思い知らされて愕然とする。

「毎晩50万人以上のアメリカ人がホームレスを経験している」という一言で締めくくられたこのドキュメンタリー。
明日は我が身、という意味にも捉えられる。
コロナ禍で、こういう人たちは激増したことは言うまでもないない。

説明が少ない分、ショッキングな映像で各々が考えさせられる作品になっていました。
ちろる

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