フィル・ティペットが監督として作った作品です。ストップモーションアニメーションと特殊効果と実写の組み合わせ。
フィル・ティペットはスター・ウォーズのAT-ATなどのアニメーションで一躍有名になった後、独立してティペット・スタジオでの『ロボコップ』などを手掛けてハリウッドでも高い地位を築きます。しかし、それは裏方としてで、世代的にひと回り上のカレル・ゼマンやヤン・シュヴァンクマイエルと比べると作家として確立されたものはなかったように思います。
そんなフィル・ティペットが自分の作家性を遅ればせながら確立しようとした試みが本作なんだと思います。
ストップ・モーション・アニメーション作品は伝統的にダークな世界観のものが多く、本作もそれを踏襲しています。フィル・ティペットはそこからさらに踏み込んでかなりグロい世界観を作り上げています。
どことなくフィル・ティペットのこれまでのキャリアのショーケース的なところもあり、スターウォーズ的なものもあれば、スターシップ・トルーパーズ的な部分もあります。自分の作家性を表す試みだとは思うのですが、これと言って際立った作家性も出しきれていないような気もします。
すっごく頑張った作品だとは思うのですが。
