TLs

グレイマンのTLsのレビュー・感想・評価

グレイマン(2022年製作の映画)
4.3
夏休みにピッタリのアクション映画ということでちゃんと楽しめました。各国を飛び回る色々なシーケンスがあって、ボリュームはしっかりとあったのでネットフリックスに登録していながらも劇場で見るに足る満足感があった。

序盤のバンコクから数えて大きいアクションシーケンスが3つあって、どれも大規模なものだった。なので、自分の中での満足できるアクション映画の条件は十分に満たしていた。(マイケル・マン基準) しかし、プロットの軸が、恩師と娘か機密情報かがはっきりしないため、序盤の娘を警護する回想シーンに少し違和感を覚えた。勿論、小説を2時間にまとめるため多少この点が煩雑になるのは致し方無いのだが。話の流れからすると続編を作る気が満々みたいなので多少無理してでも色々と匂わせて正解だったと思う。

キャスティングは抜群でムキムキ体育会系悪役のクリス・エヴァンスはとてもハマっていたと思う。あのキャラクターには彼のようなムキムキで絵に描いたような陽キャではないと務まらないだろう。他にもウァグネル・モウラやアルフレ・ウッダード、ビリー・ボブ・ソーントン、主人公に暴力を振るう役としてこれ以上にないキャスティングのシェー・ウィンガムなど、脇のまでしっかりと実力派で固めるキャスティングに脱帽した。

ここでネットフリックスがビッグバジェットのアクション映画を配信することは近年ドラマシリーズが注目されている映像業界において大きな意味を持つと思う。映画館か配信かという議論がされる中で、配信サービスの第一人者であるネットフリックスがこの映画を打ち出したことにより、彼らが映画館の敵であるという見方にはっきりと「ノー」と突きつけることができた。銀幕だと少し見にくいシーンはあったが。

それに「本物のワルはポロシャツを着る」という自分の説が補強されたのもよかった。
TLs

TLs