悪魔の毒々クチビル

グレイマンの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

グレイマン(2022年製作の映画)
3.8
PLAY ME LOUD


CIAの暗殺者がCIAに潜む闇を知り逆に命を狙われるお話。


「アベンジャーズ エンドゲーム」等々、MCUのヒットに大きく貢献したルッソ兄弟によるアクション映画です。
キャストも敵役に我らがキャップことクリス・エヴァンスを始め、脇役にも「キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー」のカラン・マルヴェイや「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のアルフレ・ウッダードと言った過去にMCUでルッソ兄弟と仕事をした面子も揃っています。

内容はシンプルなスパイアクションで、ぶっちゃけそれ以上でも以下でも無いんだけど「お金掛かってるんだなぁ」としみじみするくらいには派手だしロケーションも豪華でした。
市街戦辺りで信じられないレベルでCGが一瞬ショボくなった箇所もありましたが。
そう言えば今までライアン・ゴズリングが出演している映画を一つも観たことがなかったので、「エマ・ストーンと唄って踊っている人」ってイメージしかなかったんだけど普通にアクション映画も向いていますね。
序盤の戦闘シーンが妙にクローズアップしていて見辛くて、「そこまでスタントに頼らなきゃあかんのか?」と不安になりましたがその後はそこの違和感は特に無くなる映し方だったかなと。

皆大好きアナ・デ・アルマスも俺は「ナイヴス・アウト」しか出演作は観ていなかったので、「嘘ついたらゲロ吐く人」ってイメージしかなかったんだけど普通にアクション映画も向いていますね。
銃撃戦は勿論のこと、格闘シーンも中々頑張っていて見応えがありました。
「007」でも話題になっていたのは知っていますが、今作でも充分過ぎるくらい目立っていたので既存のファンは当然ながら新規ファンも間違いなく多数獲得出来たのでは。俺もその一人です。
多分今後もアクション映画には何本か出るんじゃないかな。

クソ強いなりに何度かピンチが訪れたりと、程よくハラハラする展開含めしっかり楽しめた作品なんだけど悲しいかな、凄く良かったかというと決してそこまででもなくて。
例えば「キングスマン」みたいなキレキレなお洒落バトルといった、度胆を抜かれるような描写に欠けていたのもあってか派手なんだけど地味でもある印象でした。
あと折角クリス・エヴァンスがソシオパスな悪役を演じていたのに、あんま強くないっていうね。アナさんに麻酔銃をケツに撃ち込まれたり、指を失ったりと散々じゃないですか。
拷問大好きな割にはやるのは爪剥ぎくらいなのもね、そんなホラーよりな描写は出来ないと言っても物足りないのよね。
「超人的だなんて言葉を使うな。子どもじゃあるまいし。」みたいなメタボケ台詞はギリ面白かったかな。
自爆被りもああいうのは劇中一回だけやるからエモーショナルなやり取りが際立つのであって、二回目被せてくるとそれで充分くどくなってしまうので止めた方が良かったです。
それといかにもな悪人の「捜査官にしては美人過ぎるな」からの「セクハラですよ」みたいなやり取りはいい加減飽きたというか鬱陶しいので、もう二度とやらなくていいと思うよ。

全体的にはしっかりとアクションしていて良かったのですが、少しインパクトに欠けていたのが残念でした。
恐らく続編製作されるんじゃないと思うので、まぁそちらに一応期待しますか。