さく

モーターヘッド/ラウダー・ザン・ノイズのさくのレビュー・感想・評価

5.0
レミー兄貴の命日に新宿シネマートさんで鑑賞しました。ブーストサウンド上映ということで立川シネマみたいな爆音に期待も高まります。当初行く予定は無かった(というか知らなかった)のですが、たまたまネットで情報を目にして駆けつけました。

まずこのような最高すぎる企画を組んでくれたシネマート新宿さん並びに関係各位に御礼を申し上げます。私生活では色々モヤモヤする年末になりましたが(自業自得)、上映時間は色んなことを忘れて押し迫る轟音の波に身を任せ、映画館で初のヘドバン(軽め)をするなど、新しい体験をさせて頂くことができました。

会場入すると、エレベーターで降りる階を一瞬間違えたかと思うくらいに、普段の映画館と客層が違う(笑)皆さん! ここは映画館ですよ! ライダースジャケット、両腕いっぱいのタトゥー、フワフワパーマヘアーと、外タレのライブ会場そのままの雰囲気。もちろん皆さんモーターヘッドのTシャツばかり。何故私はいつもの映画を見るような感覚でジュラシックパークのTシャツで来てしまったのか…強面のお兄さんにしばかれないかと怯えていました。一応、モーターヘッドのロングTなら持ってたのに…

待合スペースに座っていると「モーターヘッド鑑賞の方、無料でビール配ってます!」とスタッフの方。最近酒は控えているし、途中でトイレ行きたくなるし、今日のところは…「(無料なら)…頂きます」
しかし、今日はレミー兄貴の命日。「ジャックコーク今日は半額の300円です!」と言う声が聞こるますが、最近酒は控えているし、途中でトイレ…「ジャックコークください」→結構濃い目で最近酒に弱いのでかなり酔った。

準備万端、座席について暗転したときの気持ちの高まりようは正にライブ会場のそれ。ここ数年コロナ禍でライブなど全く行けていないですが、久しぶりに味わうこの感じ…と昂ってきたところで、「NO MORE 映画泥棒!」。まぁ、これはしょうがないよね…と気持ちを切り替えるも、いい加減何とかならないんですかねこれ?(シネマート新宿さんが悪いのではない)。この動画が抑止になるとは全く思えないのですがね…

改めて気持ちを切り替えて本編。通常の映画上映と違い、応援上映とかではないですが、座席の皆さん(私も)は拍手でお出迎え。始まるやいなや、前の方の席で激しくヘドバンしている方もいました。

ライブも1/3くらいを消化したあたりで、レミーさんが「喉が渇いたな」と言い出して、この時に私は致命的なミスを犯したことにハッと気付きました。モーターヘッドのライブは例の名盤を音としては何度も聞いてますが、映像で見るのは(フルでは)初めて。ライブも行ったことがありません。まさかこんな筋肉少女帯におけるオーケンのビール一気飲みコーナーみたいなのがあるとは! 乾杯するレミーさん。私の右手には空になったジャックコーク(早く飲み過ぎ)。前のおじさまはジャックコークを高く掲げて乾杯をしている… 私は兄弟盃を頂けなかった。レミー「何だ盛り上がってる奴は76人だけか?」何故76人なのかわかりませんでしたが、細けえこたぁいいんだよ!

再び気を取り直して、ライブはドラムソロを挟んで後半戦へ。レミー「次は『1961』ってアルバムからの曲だ。知ってるか? そんな奴はもう全員死んだか」。MCも面白くかつカッコよくて最高です。

一端のモーターヘッドファンのように語っておりますが、かなりニワカなので演奏される曲自体は知らない曲も多く、それでもバンドの音自体が最高なので十分に乗れて楽しめました。とはいったもものやはり知っている曲がくるとテンションが上がります。ラストのど定番名曲『Ace of spades』では頭を振らずにはいられない(控え気味に)。そしてアンコール待ちではライブよろしく拍手でバンドを呼び寄せ。これは映画ではなくライブだ。

アンコールではアンスラックス(スコットイアンしかわからかいが)等ツアーメンバーも参加しての『Overkill』。レミー「座ってる奴は立て。どうせ明日も仕事だろ?」ここでもう、全員で座席から立とうぜ…とも思ったけれど見た限り皆さんマナーをわきまえてそんなことはしないので私も自重。「レミー兄貴、俺は明日仕事だ」

お亡くなりなってからこうした形での初対面となってしまいましたが、モーターヘッド及びレミーが後のシーンに与えた影響は絶大過ぎて感謝しかありません。繰り返しにはなりますが、こうした場を設けて頂いたシネマート新宿様にも感謝申し上げます。次もあったらジュラシックパークじゃないのできます。
さく

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