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めぐりあう時間たちのkuuのレビュー・感想・評価

めぐりあう時間たち(2002年製作の映画)
4.0
『めぐりあう時間たち』
原題The Hours.
製作年2002年。上映時間115分。

1923年、ロンドン郊外。
作家ヴァージニア・ウルフは病気療養のためこの地に移り住み、
『ダロウェイ夫人』を執筆していた。午後にはティー・パーティが控えている。
1951年、ロサンジェルス。『ダロウェイ夫人』を愛読する妊娠中の主婦ローラ・ブラウンは、夫の望む理想の妻を演じることに疲れながらも、夫の誕生パーティを開くためケーキを作り始める。

この作品には、違う時代に生きる3人の女性が登場します。
まずは、
1941年の英国、リッチモンド ヴァージニア・ ウルフ(ニコール・キッドマン)という女流小説家が入水自殺するところから映画が始まる。
ウルフは実在の作家で、義理の兄弟から性的な嫌がらせを受けて育ったらしくえ、お姉さんに同性愛的な感情を持ってた。
次は1951年。
ロサンジェルスに暮らすごく普通の主 婦ローラ(ジュリアン・ムーア)で、2人目の子供を妊娠中。
ウルフの『タロウェイ夫人』を読みながら、夫の誕生日のためにケーキを焼こうと考えてる。
最後に2001年のNY.。
編集者のクラリッサ(メリル・ス トリープ)が、エイズの末期患者で元恋人の作家リチャードのために、受賞パーティの準備してる。
時代は違うけど、3人には共通点がある。 
ローラは自殺願望が強く、親友の女性に同性愛的志向がある。
クラリッサは現代の女性やから、同性愛だと公表していて恋人の女性と同居し、人工授精で娘も産んでる。
重なり合うのことのない3人の女性の一日を次つぎと展開するんやけど、時の超え方が巧い。
例えば、ウルフがフレームからはずれると、反対側からクラリッサが登場するちゅうな編集をしている。
巧みに時間を組み合わせながら、
生きる、
死ぬこと、
家庭と子供、
女子ちゅうのを突きつめた内容かな。原作はメチャクチャ頭のキレる人が書いたんやなぁ、頭のキレるか考えられへんは😏なんて感じました。
30年近い時の流れが行き来すんのを映像化するてのは大変なことやと思う。時代の風土、背景もやけど、同性愛が犯罪やった1920年代の英国、同性愛志向は恥ずべきことだった1950年代、公 にしても誰も気にしない2001年ちゅうように、ある現象が時の流れでどう変化すんのかを見せるわけやから。
こないな細かな点にどれだけ気づけるかで、頭の出来不出来がわかるってのは烏滸がましい書き方かな😅。
女子だけではなく、野郎もそれなりに考えさせられたとこは沢山あったかな。
カメラの撮り方もエエし、
演出もエエ、
加えて、編集もエエ。 
話が破綻をきたさへん傑作かな。
最後にクラリッサの家で驚くべき3人の関係が描かれるんやけど、そりゃ観て御確かめあれ!
時間はめぐりあう。
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