悪魔の毒々クチビル

デイ・シフトの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

デイ・シフト(2022年製作の映画)
4.0
7年中無休

別居中の家族にプールの清掃員と偽りながらヴァンパイアハンターをしている男、バドのお話。

ネトフリオリジナル、ジェイミー・フォックス主演のアクションホラー映画です。
まぁ正直ね、あんま期待していなかったんですけど主演だけでなくエグゼクティブ・プロデューサーまで務めるジェイミーの気合いの入れようにちょっと興味が湧いたので、若干遅れ気味ですが観てみました。

お、良いじゃん!
アクションは全体的にスタイリッシュ。
ヴァンパイア側の身体能力が人間離れしているのは勿論、皆さん異常に身体が柔らかいです。
ちょくちょくびっくり人間みたいな体勢になっていて面白い。
ただとどめで首を切り落とされる事が多いんだけど、そんなに首ってサクサク切れるもんかね?いや、ゴア重視の低予算ホラーではありがちな現象なんだけど、こういう作品でもそのノリを持ち込むとは思わなんだ。
あ、因みに今作もそんな訳でゴアってはいるんだけど、割とCG頼りのお手軽ゴアなのである程度苦手な人もヌルっと観られます。

ジェイミーのガンアクションも勿論格好良かったんですけど、今回のベストアクションはスコット・アドキンスでした。
中盤バドと一緒に巣を討伐しに行く凄腕ハンター兄弟の兄か弟かどっちか忘れたけど、まぁ訛りの強い英語キャラで出ています。
ぶっちゃけバドを小バカにしている感じとかあまりに屈強なルックスのせいで、「あれ?これアドキンスさんかませ犬パターンじゃね?」とか最初は思っていましたが、しっかり強かったです。
お馴染みの回し蹴りを始め、銃や靴に仕込んだナイフ、杭スピア、ヌンチャクと様々な武器を使いこなしてヴァンパイアの集団を一掃していて大変格好良かったですね。
兄弟間でやる無駄にスタイリッシュなリロードも映えていました。
何ならここが今作のハイライトだったかな。

バドの相棒に無理矢理なってしまったセスも超ビビりな雰囲気が印象的でしたが、フランコさんよ、あんためっちゃ陰キャなのに何でそんな腕ムキムキなんよ、とか思っていたらば終盤の展開を観て納得でした。
バドの隣人お姉さんも結構好きなんだけど、あの立ち位置だったらもっと序盤から出ていた方が違和感もまだ少なかったとは思います。因みに「ガンズ・アキンボ」ではダニエル・ラドクリフの元カノでした。
そしてこんな所にもしれっと出ていたピーター・ストーメア。

カーチェイスのシーンでは最後狭い抜け道を通る為に、タイヤ全部撃ち抜くって荒業を披露していましたがもし回り込まれていたら完全に詰んでたような。
あと追っ手のバイカーの自滅率高過ぎませんか。

終盤のバトルもお助けキャラも参戦!って流れも含め見応えはあったんだけど、バドさんあんだけボコボコにされても服が汚れるくらいで外傷が全然無かったのは流石に引っ掛かったかな。

そう言えばラストのセリフが「ロストボーイ」っぽくてにやけました。

総じて気軽に観られる作品なのと同時に話題性も相まって、「意外とグロいの平気だから、スプラッター系も色々観てみようかな」とか「あの人のアクション凄かったなぁ。スコット・アドキンスっていうのか。よし、他の出演作も観てみよう」みたいに他ジャンルへの入り口的なポジションも担えそうな気がします。担えたら良いよね。
ハンター協会やヴァンパイアの細かい設定なんかはまだまだ掘り下げられそうですし、個人的には続編も大歓迎な作品でした。



あと今作と1ミリも関係ない話なんだけど、さっきフィルマのトレンドを覗いたら一番上に「テリファー」の1と2が来ていてびっくりしました。