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アダム&アダムのtakeman75のレビュー・感想・評価

アダム&アダム(2022年製作の映画)
3.5
喘息持ちの冴えない少年の下に、未来から超イケてる武器に身を包んだ自分が逢いにやって来た…という、藤子不二雄の漫画で描かれていそうな「もしも、こんな事が起きたら」的な空想を、過度に大きすぎないスケール感と主演のライアン・レイノルズによる一流のジョークで包み込んだ、正に家族で安心して楽しめること請け合いのSFアドベンチャー。

話の元ネタ自体は「E.T.」「BTTF」「ターミネーター」など、どれもベタと言えるものだが、様々なパーツをテンポよく繋ぎ合わせながら、機能不全に陥った家族のほろ苦い「修復」を綴っていく手際は、定番ながらも巧く、最後はまんまと涙腺を刺激される。後半に惚けた存在感で場をさらうマーク・ラファロとレイノルズとの掛け合いも、笑いと温かさに満ちていていい感じ。

快作「フリー・ガイ」に続き、誰もが安心して楽しめる(コロナ禍での製作ゆえか、全体的に画面に登場する人の少なさは否めないが)「懐かし面白」のツボを刺激するこの監督&主演コンビの上手さ、今後も貴重な「鉄板商品」として愛されていくのでは。近年のどんどん巨大化、長尺化していくエンタメ映画界の中で、この胃にもたれない「丁度良いサイズ」の面白さは色んな意味で有難いですよ。
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