よう

ザ・プリンセスのようのレビュー・感想・評価

ザ・プリンセス(2022年製作の映画)
2.5
お姫様は最強戦士でした。

完全にアクションに振り切った作品。
ストーリーは、そのアクションのためにあるようなもの。


主人公がめちゃ強い。
技とか抜きにして、圧倒的にフィジカルに差があるだろって思うけど、そこはごまかしごまかし。ちょいグロ表現も混ぜつつ、エクストリームに戦闘を見せていく形。
見せ方がフレッシュっていうほどじゃないと思ったのだけど、小さい者が大きい者を倒していく爽快感は確実にある。
倒し方だけでなく、かわし方とか逃げ方とかにもう少し工夫があるといいなあと。冒頭の、「一旦そこをはずすんかい」「で、また戻すんかい」って所はよかったから、ああいうのがあるともっと面白いはず。

戦闘を重ねるたびにドレスをちぎってちぎっていく流れは、 主人公のキャラクターと背景に重なるもので、いいなと。
エンパワーメント要素としては露骨すぎるけども、その明快さでOK。

後半から敵味方が少し増える。
厨房のシーン。その場にある、本来武器ではない物を使うアクションはいいよね。もっとやって欲しいと思った。
オルガ・キュリレンコ演じてる敵側の女性の武器、あれはよかった。どういう仕組みかはこの際どうでもいい。


設定やストーリーは添え物ではあるので、やたら多人種な国である点とか、敵側の女性は何者なんだとかも、あれで構わない。
ただ、クライマックス手前で、「さっきまで捕まってたけどどうやって逃げたの?」って人物がいるのだけど、あれは……。そこもまた別にいっか。
あと、敵側の人で、個人的に「もしかしたらラスボスのことを裏切るのか?」ってちらっと思った人物が2人いたのだけど、特に何もなかった。


「お前の両親は、生まれたのが男でなくて泣いた」
「お前の両親は、同じ理由で泣いた」
ってやり取り。
最初はよくわからなかったけど、「お前は真の男じゃない、真人間じゃない」みたいな意味なのかな。

やっつけ方が、アイツがやろうとしてたことなのがいいね。


何もかもが〈基準〉みたいな作品ではあるけど、こういうのもいいじゃん。
よう

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