ずっと気になっている「女を修理する男」を観る手立てがなかったところ、ムクウェゲ医師に関する別のドキュメンタリーを見つけた。
TBS制作の短尺作品で、事実のみの描写は報道番組に近い。でもその描き方で良かったのかもしれない。遠い国の悲劇ではなく、スマホやパソコンを消費している自分に密接に関わる問題だったので、観終えた後に罪悪感が残った。
文字に起こすのもはばかられるコンゴ民主共和国の問題。武装勢力が、レアメタルやすずなど豊かな鉱物資源の利権のために、住民をレイプして支配する。個人の欲求ではなく、支配するための手段として、生後半年の赤ちゃんから90代のおばあちゃん、男性までもレイプするという。ムクウェゲ医師は、そんな心も体も傷だらけになった人たちを無償で治療する人だった。ノーベル平和賞も受賞していたのに、私は知らなかった。
問題の根本解決には、鉱物資源を消費する国際社会の介入が必要であるとムクウェゲ医師は訴えかけるも、世界はあまりに無関心だった。ムクウェゲ医師は安部元首相と会談するため来日もしていたとは。日本政府の対応が気になったけどそこに関して何も描写がなかったので、大きなリアクションはなかったのかもしれない。日本政府には、可能な限り法的手段を取ってほしい!
ムクウェゲ医師の日本に対する強い訴えは庶民の自分にも大きく響き、また無力感もいっぱいになった。調べたらコンゴの紛争解決、ムクウェゲ医師の活動を支援する団体があったので寄付しようと思う。