y

ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師のyのレビュー・感想・評価

-
レイプが日常と言われるコンゴ共和国。
お隣ルワンダもまた、
ベルギー宗主国によるフツとツチの分断によって1994年のジェノサイドが起こった。
(ルワンダは元はドイツ→フランスと領地を争っており、公用語にフランス語が含まれる)

ルワンダもまた教会による教育が仇となって、教育格差が広がり、被差別者のフツが報復することで泥沼化。その教育・経済格差は広がる一方だった。
RPF(ルワンダ愛国戦線)はコンゴやウガンダに逃れ、女性たちをレイプし襲うことで自分達の存在意義を誇示しようとした。
そのような構造的暴力に私たちは“スマートフォン”などを通じて加担していることを知らされた。

無法地帯の世界から率先して“安価”なものを購入し、その甘い蜜を吸い続けていることに自己嫌悪と申し訳なさを感じた。

誰かの犠牲によって社会は成り立っているというのは誰しも周知の事実だが、机上の空論で終わらせてはいけないと強く思う。

誰がこのレイプによって成り立つ経済構造に歯止めをかけることができるのか。

それは消費者である私たちが、企業に、輸入を許す国家に訴えかけることからはじまるのかもしれない。

けれども自分たちもまた相対的貧困に悩まされている今、結束してストライキを起こすことは難しい。

もはや、スマートフォン購入にすらありつけない未来が待っているかもしれないことを思うと、貧困の輪廻はそう簡単に止められないのかもしれない。

考えられないほどの地獄を味わいながらも、カメラの前で前向きに生きようとする姿勢を見せてくれたコンゴの被害女性たちに感謝したい。
y

y