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ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師のpiyoのレビュー・感想・評価

4.3
原寛太さんのYouTubeで紹介されていたため鑑賞。コンゴでいまだに根強く続いてしまっている、武装勢力による性暴力。被害女性を無償で治療する1人の医師についてのドキュメンタリーです。
とても人間のすることとは思えないような被害の内容に、胸が重く痛んで何度も止めながら見ることとなりました。非常に濃い内容です。コンゴという物理的には遠い国だとしても、その背景は私達にも深い関わりがあります。現実に起こっている状況に無関心でいることこそが、何よりも罪なことだと気付かされます。
被害に遭った女性達以外にも、武装勢力に入ることを強制された男性達のインタビューも入っています。村や自分達の身を守るためという理由を考慮したとしても、彼らの本心はどんなものなのかと複雑な心境になりました。。今の望みは?と聞かれ、女性達の望みは「平和」であるのに対し、男性は仕事が欲しい、学校に行きたい、など完全に自分本位である印象を拭いきれません。性犯罪に対し深い罰をきちんと与えられない司法の下で生きている、ということが垣間見える側面だと感じました。インタビュアーや番組の作り方に意図があるかどうかはわかりませんが。
様々なことを考えさせられるドキュメンタリーです。自分には何ができるのか。知る、だけでなく、関心を持ち続ける、そして実際に行動しなければ何も変わらないな、と自省しています。辛い内容だけど多くの人に見て欲しいです。
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