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プレデター:ザ・プレイのRUNPENのレビュー・感想・評価

プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)
1.5
どうなんですかね??これ。

非常に期待していただけに残念過ぎる。
でも予告編はとてもワクワクできて面白かったんですけれども。





以下ネタバレアリ
今回も毎度の長文怪文書デス






「プレデター」でネイティブ・アメリカンと言えば真っ先に思い出すのが1に出てきたビリーだ。
彼は非常に五感が鋭く、敵=プレデターがまだ謎の時点でその存在を感じ取っており、海兵隊でありながら野生の勘は失ってないという存在。
劇中では今一歩及ばずプレデターを発見できず、しかし仲間を逃がすためにタイマンをはる。
それは見えない敵への好奇心だったのかもしれないが、とにかくアツいキャラクターであった。

そんな彼のルーツとも言えるネイティブ・アメリカンが今回の主人公達。
予告の時点でこれは期待するしかなかった。
期待している映画には事前情報をなるべく遮断して楽しみたいのだけど、その分妄想がふくらみがちになります。
なのでてっきり野生のチカラがみなぎってる地球代表ネイティブ・アメリカン狩人チームが宇宙代表プレデターと熱い死闘をする話だと思ってしまっていた。
狩人チームvsプレデター!!!

まぁ「お前の想像してたモノと違ったからって酷評すんなよ」と言われればそれまでなのだが。


だがしかし、まず観ていて疑問に思ったのが主人公側の男どもはちょっと無能過ぎないか??
主人公ナルちゃんが謎の足跡を発見した時、男どもはその謎の生き物を警戒しないのだろうか?女が言う事だからって馬鹿にしてんのかな??
この全編通してやたらとナルを何度も未熟者扱いするのは辟易する。しつこい。クドい。イラッ。
まぁナルのお兄ちゃんであり歴戦の猛者であるタエベは「ナルは獲物を追うのが得意だし薬草の知識もある」って皆にフォローしてくれるけど。

しかしナルちゃんは部族の中でも1番危険を察知できてるって事で、それを感じてない他の仲間が無能に見えるのがまず問題だったりする。プレデターが近くにいても何も誰も気がつかない。
でも彼女は狩りの腕前は半人前なので、結果的に男どもが狩りはできるがその腕前にあぐらをかいてるヤツらに見えて全員が強そうに見えない。
そしてそんな集団と対決するの?って事でプレデターも大した事なく見えてしまっているのが1番の大問題だ。
ヘビの皮剥がして何やってんだよってのもある。食べるんじゃないのか。
ヤベエやつが地球に来た!!って危機感が全くない。

さすがにクマを素手で倒すのはプレデターの強さのあかしだとは思うけど、ヘビもオオカミもクマも行き当たりばったりで狩ってるように見える。
たとえばこのクマが村人を何人も殺してる近隣最強の殺人グマだって事にでもすればプレデターと村人の因縁が生まれたのになぁ。
そしてここで殺人グマに対して素顔を晒してタイマンしてれば、おお!プレデター!って感じでおもしろかったのに。
殺人クマの死骸(皮剥ぎ釣られ状態)を見つけた村人達は更なる脅威を察知し警戒する。人類対プレデター!開戦!!

プレデターの光学迷彩や素顔は観客は皆知っているので、いつまでも透明でいて出し惜しみする必要は全くない。
どちらかと言うと今回のプレデターを早くもっと見たいのに、結局全身や素顔がはっきり見える描写は少ない。
消えててもグロロロ〜ってやたらと言うので来た事がすぐにわかるというのもどうかと。

コマンチ族の話に戻ると、いざプレデターが半透明で現れても仲間と協力しないで個別に闘いあっけなく殺られる。
主人公の仲間達がやられる悲しさや怒りが描かれない。この辺り仲間の戦士もモブキャラ化しててダメな所だと思う。
プレデターもコマンチ族、というか主人公側も戦う理由が薄っぺら過ぎる気がする。
プレデターはまぁ何でもいいからとにかく狩るって事かもしれないが、それってただの暇つぶし??

主人公達は最初から全員優れた狩人集団で全然良い。1人1人名前があって6人組くらいのチームで。どうでしょう?


先にも書いたが何故か主人公ナルはミソっ子扱いされているのがどうにもこうにもやっぱり気になる。

20世紀フォックスがディズニーに買収されてからこっち、どこまでディズニー側の意見が反映されているのかわからないが、ど〜もポリコレ臭さが感じられてどうにもこうにもモヤモヤする。
まぁそれは誤解かもしれないが。
今回のように虐げられてる女性が自分の力で立ち上がる立ち向かうってのはぜんぜん良いのだが。成長物語的な。
全然いいけどそれは「プレデター」って作品でやる事ではないだろう。
(同じ事はスターウォーズにも言える。あちらはそんな成長物語すら無くなってとっ散らかってワケの分からないまま、ひと段落してしまったのだが)

1と2を除くプレデターの続編全てに言える事なのだが、プレデターというキャラクターは余計な設定を加えなくても十分に確立しているのです。
地球代表のめちゃくちゃ強いヤツと宇宙代表のプレデターが闘うってだけで成立する話なので。
その中で工夫を凝らして激戦を楽しませてくれればいいだけなわけで。
なので今回、プレデターが地球人に研究されまくってる未来の話にドン詰まってる現状から、過去の話にもっていった事にはとても期待してたんですが。
その状況があまりいかされなかったのは残念であった。
もっとコマンチ族のみんながプレデターの存在に早くから気づいてあらゆる攻防で闘って欲しかったなぁ。
ナルちゃんの縄付きトマホークや愛犬サリィももっと活躍できたはずだ。

結果底なし沼にはめられて自分の兵器で死んじゃうプレデターってアホ過ぎないか?
主人公がプレデター側の武器つかうってのもなぁ。冷めるなぁ。

あと余計だったのが白人狩人集団のくだり。あれって東から来ている入植者達??今回の話に必要か???
あんな集団を出すのならばいっそのこと、
先住民vs入植者の戦争の熱に引き寄せられてアイツがやって来る!!
ってので良かったんじゃないの?
んで銃などの近代武器を持ってる白人達が先にプレデターに殺やれまくる。その残忍な処刑法に主人公達は警戒し謎の第三勢力プレデターとの対決に備える!!
でいいんじゃないの?
あらすじは1や2とほぼ同じだけどプレデターの面白さってそういう所だと思うので。
こっちの方が燃えるけどなぁ。

とにかくおかしな要素を足しすぎて余計な描写を加えている事が、数々のプレデターの続編が失敗している原因だと思う。
だいたい今回のプレデターは何にひかれて地球にやって来たんだ??
ヘビやオオカミやクマを狩りにリゾート気分で来たのか??
まぁそのあたりはプレデターにもいろんなヤツがいるって事でしぶしぶ納得はできるのだが。
でも簡単な罠に引っかかりすぎだよな今回のプレデター。

あと過去の作品に重なるセリフやプレデター2に出てきたフリントロック銃をこれみよがしに出してきたのも「知ってる人はわかるでしょ」的な目配せ以外の何でもない感じもさむい。
あの銃がなんでどうやってエルダーのモノになんのよ??

とにかく全編通して色々ともったいなかったな〜というのが今回のプレデターの感想なのだが、しかし良いところも当然ある。

主人公ナルちゃんと相棒サリィ。
そしてお兄ちゃんである戦士タエべは皆カッコよかった。
白人達から逃れて馬に乗ってプレデターをボコるアニキの姿は「これが見たかったんだよ!強い!カッコいい!」と燃えた。
馬を降りた後弓矢の連写でプレデターを追い詰め、胸を貫かれても妹を助ける為に最後の抵抗をみせる!そんなアニキは良かったです。
泣ける。この一連のシーンはアツいです。



そして最後に言いたいのが今回のプレデターの装備類とルックスについて。

1の頃から300年ほど昔の話だとしても他の惑星に来れるほどの科学技術を持つプレデターの装備があからさまに退化してたり逆に進化してたりするのはどうなのか?

バイオマスクや自爆装置にショルダープラズマキャノンはプレデターのアイデンティティとも言える装備なので無闇に変更するのは愚策としか思えないんだけど。

まずマスク。マスクの下から牙が見えてるし動いてるのも、大切なマスクの意味が無いしそのデザインもパッとしてないし単なる骨っぽくてノペっとしてる、要するにカッコ悪い。
もっと過去の数々のバイオマスクを研究しろ!と言いたくなる。整合性を考えて欲しい。昔のマスクは牙見えてんのがスタンダードになんの?
牙だけ出してんじゃあない!!
強敵に対して素顔を見せる瞬間こそプレデターの醍醐味だろう。

プラズマキャノンが追跡装置付きボーガンになっているのは退化なのか?
自爆装置が小さいドローンになって3つに分かれるのも進化してねーか?
てかどちらもテキトー過ぎないか???
特にドローンのCG感。普通に大爆発で良いよ。
何度か見直してみるとまぁ追跡ボーガンはそんなに悪くないかもしれない。
しかしハンター装備はそんな変えなくてもいいと思うんだけど。
ボディメッシュを着てないってのもなぁ。
シールドはちょっと面白いなとは思ったけどこの後の話で出てこないのはおかしな事になるでしょう。
このシールドがスマートディスクや手裏剣のモトになるのかな?

そして1番ダメだったのがプレデターのビジュアル、見た目、、、これがもうガッカリ残念だった、、、
なんなの?あの素顔!!!なに?あのブサイク顔!!?プレデターズのバーサーカーみたいな離れ目のタガメ顔!!アゴも異常にデカいし!変なの!!
なんだよ〜これ〜なんでこの顔にしたんだろう?変にデザインし直さなくても1か2の見た目で良いんだよ!素顔は!!
ドレッドヘアもなんかヒョロ〜っと細長いしなぁ。
何回見てもカッコ悪いです。
倒されたって何とも思わん。
これってジャングルハンターやバーサーカー達とはまたちょっと違うプレデター族なんかなぁ?

プレデターの良さって「なんて醜い顔だ」と散々言われつつもカッコいいところがキモなんであって本当に醜い顔にしてどうすんだっての。
そこが1番残念なところだ。


とまぁ文句をつらつら書いたのだが、それでもやっぱりプレデターと名のつく映画は嫌いになれるわけが無いのでこの作品も何度も観ることになるのは決まっている。

主人公ナルちゃんはかわいいし、相棒犬サリィもかわいい。
ブサイクなプレデターもなんだかかわいく思えてきた。

まぁとにかく新しいプレデターが生まれた事は喜ぶべきことなのであった。


でも点数は1.5だコノヤロウ!!
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