ケンタロー

プレデター:ザ・プレイのケンタローのレビュー・感想・評価

プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)
3.5
🪓 血を流すなら殺せるさ…。
川!泥!罠!ファンにはたまらん原点リスペクトに溢れた良作✨
ただし、ちと暑さが足りんかな…☀

🏹『プレデター/ザ・プレイ(PREY)
18世紀初頭の北米グレートプレーンズを舞台にネイティブアメリカン・コマンチ族の女戦士とプレデターによるハンティング対決を描く。

まず、自然景観が美しく素晴らしい。大自然と共生するネイティブ・アメリカンに敬意を持って主役に据えた点も今の時代性が感じられる。物語の運びも非常にシンプルでうるさくないのが好感を持てた♪昨今の『プレデターズ』『ザ・プレデター』が、プレデター側の新要素や設定をごちゃごちゃ付け過ぎたのがあまり好きじゃない自分としては、この原点回帰は素晴らしい選択だと思っている。

『AVP』はお祭り映画なので別物として、プレデターに種族がたくさんいるとか、異種族に上下関係があるとか、猟犬飼ってるとか、地球人に友好的なのがいるとかは、ネタとしては面白いけど、本質的なプレデターという作品の魅力とこのキャクターのカッコ良さを削いでしまってたからね(^_^;)

そこが、本作では、単純に “ 狩るか ” “ 狩られるか ” のみに焦点を絞り、無駄にキャラクターを登場させないことも功を奏している。モブはモブらしくだ😂

主人公ナルを演じたアンバー・ミッドサンダーも良いが、個人的には、兄タアバを演じたダコタ・ビーバースの好演がピカイチ✨ 1作目『プレデター』のネイティブアメリカンであるビリーのような屈強な肉体というわけではなく、俊敏性を活かしたシャープで鋭い一撃が凄まじく格好良い!

また、1作目よりも200年昔ってことで、プレデターのテクノロジーもややオールド・テックにしてるのがストーリー構成にも効いていて面白い。ほほう、プラズマ・キャノン無いんかーってな具合。

ダン・トラクテンバーグ監督は、よほど1・2作目が好きなんだろうなと思えるシーンの連続で、正直ここまでオマージュ捧げなくてもイイんじゃない?って思えちゃうほどのオマージュ一斉掃射にはニヤリどころか、ちょっと笑ってしまった…。

この辺が、プレイの弱点であることは間違いなくて、どうしても1作目の焼き直し感が強く、加えて敵となるプレデター個人の個性が弱いのも残念な部分。1作目ではダッチ少佐を演じるシュワルツェネッガーの魅力もあって、会話に留まらない、まさに狩りを通しての対話が、狩人同士の目には見えない、耳には聞こえないコミュニケーションを感じさせてくれたのが終盤の対決においてカタルシスとなっていた。ただ、本作プレイにおいては、ナルもプレデターも、突き抜けた個性やクセの強さを表現するには至っていないように感じた。

そして、もう一点、暑さね…。今回の舞台が北米グレートプレーンズってことで、ちょっと暑さが足りないんだよな…。粉雪混じりだったりもするし。

監督が1・2作目が好きならばこそ、この暑さにはこだわってほしかったなぁ。「悪魔はいつもより暑い年にやって来る…」っていうプレデターという種族の好む適温環境の設定を本作にも活かしてほしかった。それこそ温暖化が進み、世界各地で毎年のように異常気温が記録されている現代への警笛や皮肉も込めて、狂っていく【暑さ】というものを感じさせてほしかった。

昨今のプレデターシリーズとは比較にならないほど良い出来だけど、確かに劇場公開にならなかったパワー不足は否めない。でも、こうやって丁寧にプレデターフランチャイズを続けていってほしいね(*^^*)