セッセエリボー

ある夜警の視点からのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

ある夜警の視点から(1977年製作の映画)
4.0
劇映画ですと言われても違和感ないくらいの目まぐるしくも丹念なモンタージュ。確かにあんま関わりたくないタイプの奴だけどこの人間の卑小さは何か物悲しさを漂わせていて、沈んだ色あいの画面もあわせてとても寂しい気持ちになる。ライセンスなしで釣りしてる人から釣り道具を没収するのが趣味で30年続けてるのすごい。ルールという権威を武器にして振りかざされる暴力に味を占めてしまった人間はそこらじゅうにいて、ファシズムが勃興したときには諸手をあげて真っ先に歓迎するんだろう。本人は気づいてないがイヌがめちゃくちゃしんどそうなのがよい。
そういえば自分も会社の夜警のひとりと一時期モメたことを思い出した。こちらが彼を困らせるために残業しているとでも言いたげな妙な被害者意識が印象に残っている。その後別の人から警備会社にクレームが入ったらしく今は別人のように大人しい。