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ピート市長 ~未来の勝利宣言~のchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

3.5
民主党の大統領候補選で一時トップに立ったピート・ブティジェッジの選挙ドキュメンタリー。旦那さん(チャスティン)がいい人やったねぇ。いや、政治家でもないし本人もそんな気ないやろうけど、コレむしろチャスティンのほうが選挙いけるんじゃないかと思うくらい(笑)。個別のインタビューでも大勢の前でのスピーチでも言葉にすごく説得力があった。

に対してピートは実務能力は高くいい人そうだけど、自分の考え・思い・感情を表現することが苦手。その方法がわからないというよりは、そもそも表に出すことに抵抗を感じてしまっていて、単に技術的な問題ではないことがわかる。今でこそ必ず"openly gayで初の"と枕詞で紹介される彼だが実はカミングアウトはわずか6年前の33歳時で、長年自分を閉じ込めてきたことがどうも関係していそうだ。確かに20代の若き市長としてあちこちメディアに出ていた頃はそんな話題は出ていなかったし、当時から気さくでいいお兄さん的な感じでしたが、シャイで大人しい印象が強かった。このドキュメンタリーでのスピーチにその背景をうかがわせる部分がある。

「どうしてカミングアウトしたかってよく聞かれるんだけど、デートをしてみたかったんだよ。33歳になって恋がどんなものかも知らなかったからね。自分がゲイかもしれないと思うのは戦地にいるような気分だった、それは15歳、20歳、いや25歳になってもかわらず。(カミングアウトする前は)ストレートになれる薬が欲しかったし、もし手に入れたらその瞬間水を渡される前にすぐに飲み込んでいたよ。まったく、そんな薬がなくてよかったけど。」(私の怪しさ満点の記憶力によるテキトウ翻訳... なんかもっと素敵な言葉だった気がする、すまん、AmazonPrimeで確認してね。)

彼が選挙戦を通して少し堂々とするようになったのは、その技術をスタッフに教えられたからではなく、チャスティンの支えで本当の意味でオープンになっていったからだと感じました。てなわけでいいドキュメンタリーでしたが、大統領にならなければならない動機があまり感じられませんでしたので選挙公報のつもりで作ったのならちょっと失敗だったかも...
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