正しく渋い。だがスタンスは変わらない。老境に差しかかろうかという探偵マーロウだが、やはりとびきりの美女たちはついて離れないのだ。それも手に負えない強かさと悪さを備えて。
大戦前のハリウッドの虚飾も味わえる。どんでん返しはない。ただ何が起ころうがだれであろうが、あるがままに流されぬよそ者として対峙するマーロウの佇まいが観るほどによい。
現代感覚のドラマにはハマりづらいキャラクター。でも消えてほしくない。リーアム・ニーソンは上手いなぁ。
アイリッシュ繋がりで粋な会話も聴けたりする。やさしく強い男は実に読む男でもあるのだ。