巣籠もり坊主

INTERCEPTOR/インターセプターの巣籠もり坊主のレビュー・感想・評価

2.0
 まぁ、自分にとって映画は娯楽なので、楽しさ(見甲斐)を求めるのは当然として、ハズレを引きたくない気持ちと、万が一にもハズレだったなら「ハズレなりの意味」を見出すのも醍醐味のうちと割り切っての時間の投資な訳で…
 被虐的で矛盾した自己の内面を直視するなら「ハズレ作品も、また別の意味では当たり」というカオスが存在する。

 ド定番な設定、安定の進行、ラストのチョッとしたどんでん返しすら想定の範囲内という作品。意外性がカケラも無いのが良いし、つまらなくもある。何なら主人公に「事件は現場で起こっているんだ!」と叫んでもらえば超有名邦画作品とも瓜二つレベルで、「ガチガチにありがち」で塗りつぶされた安心感の塊みたいな作品。
 当たり外れ関係無く意外性や、自分の想定を上回られた感を味わいたい人なら1.0だろうし、失望したくないコトこそ最優先のファクターなら4.5レベルなのでは?そんでもってマッチョな女性萌えなら加点して5.0か?

【本作とは関係あるようで全く別の話】
 鑑賞後に凝った腰をストレッチしつつ背伸びをしていると、自分を客観視している自分が居て、その視野には作品そのものよりも周辺と言うか、別のレベル感で心に湧き上がる感情の波が見える。
 それは、遥か昔に、なけなしの小遣いをはたいて電車に乗り、勇気を振り絞って自分にとっての大枚を投資して入場券を買って映画館に入って観た10代だったなら少し(かなり)精神状態が悪くなったであろう、こうした作品に出会ったとて、それが真夜中にお気に入りのソファに寝そべってヌクヌクしてる人生の晩年における出会いであるなら「ふ〜ん」で済むこの時代と自分の環境への有り難さである。
 しかし、もう一皮剥いてその裏に潜む、もうこの手の作品と付き合う時間も惜しいほどに「歳を取ってしまったという焦り」と、子どもも独立してしまったなかで「1人の時間を過ごす相手としては妥当なのではないか?」という諦念のようなものとの葛藤に気付いてしまうと今日の寝付きも悪そうだなぁ。
巣籠もり坊主

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