GOODNIGHT

トロールのGOODNIGHTのレビュー・感想・評価

トロール(2022年製作の映画)
2.4
 ノルウェーで怪獣映画を作ってくれたことに対しては感謝したい。
ただ、怪獣映画であり特撮映画ではない。
根本的に間違っている。
 ガメラ的な要素は入っている。主人公が女性で科学者である点など。
 平成ゴジラによく似たテイストで、ただ怪獣が出てきて撃退するというなんとも言えない抑揚のない展開が残念。

 ウルトラマン、ウルトラセブンで登場した実相寺アングルがないとやはり特撮にならない。
 影絵になってみたいり、ドアップなど。
特撮とは通常のセオリー通りのカメラワーク以外を効果的に取り入れなければならない。
印象的な実相寺アングルの例
・投光器をバックに輪郭だけの演技
・アンヌ隊員の度アップ(顔の一部だけを写す)
・生活音がBGM
・夕焼けの中での影絵的な映像
・ミニチュアセット内の人間的視点(店の看板の字が読める。つまり普段の視界)
・ガメラ3の被災者が車の窓越しに倒壊するビルを目撃する。(つまり被災者と被災物を同時に画面に写す)

などなど、普通のカメラワークではなんてこともないシーンも印象的にココロに残るある意味でトラウマのようなシーンを作り出すことが日本特撮が世界に誇れた技術だった(ほぼ失われた)
つまり、この映画ではこういった視覚効果はなく(オフィスの窓越しに顔が見えるシーンは辛うじて特撮だったがガメラ3のように人がいれば一層良かった)特撮ではない怪獣映画だった。

サンダ対ガイラのようなトロールありがとう。
個人的には大魔神みたいにしちゃえばよかったかもね。
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