コマミー

トロールのコマミーのレビュー・感想・評価

トロール(2022年製作の映画)
3.7
【父との物語】




Netflixと"ノルウェー"の「トロール伝説」がタッグを組んで、結構本格的な"モンスター映画"を作ってしまった。

監督は「The Wave」や「トゥームレイダー」のリメイク版の監督である"ローアル・ユートハウグ"。

題材的には結構「ゴジラ」や「キングコング」を想起させるような、いわゆる"想像もし得ない存在が存在する意味"を人間側が模索するものとなっている。
つまり、トロールがただの山に住む醜い怪物とだけ描くのではなくて、その"孤独なトロールの背景"にはどんなものがあったのかに着目する物語となっている。

そして本作は人間側とトロール側に存在する"父という存在"についても着目している物語となっている。主人公:"ノラ"の父"トビアス"の存在とかつて"自身の子供がいた"トロールの"共通の孤独"を描いた物語だったのだ。そしてその2つを掛け合わせた上でのノラの"心情の変化"も、あまり話を広げすぎずに簡潔に丁寧に描いている所が印象的であった。「父の日映画」としても楽しんでいただける怪獣映画となっている。

特に突発としたストーリーがある訳ではないが、そのトロールの"特殊効果のクオリティー"に圧倒され、そしてトロールの哀しき生態にグッとくる…更に父という存在について考えさせられる、意外にも深い題材を描いているのが興味深かった作品だった。
私にとって「トロール」とは、ドリーム・ワークスのあのキャラクターやディズニーの超ヒット作に出てきたアイツを真っ先に想起させるのだが、本作を観て「トロール伝説」をもっと知りたくなったし、製作が決定している続編も見てみたくなった。

トロールが地面だったところからグワァと起き上がるシーンは最高でした。
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