さ

ONE PIECE FILM REDのさのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
1.8
谷口吾郎の新作としては80点、ワンピ映画としては20点以下
これは私の知ってるワンピースではないですね

正直楽曲も歌の尺も映画としてのレベルも高かった
たった2時間程度、それもミュージカル映画だと言うのにウタの過去、葛藤、苦しみ、そして最期が綺麗に描かれていたので

本当に1つの“谷口吾郎の新作映画”として見るならいい作品なんだけど、原作ではなく映画、それも世界軸が違うとわかってる上での映画で、この内容を放映したのは意味不明

まだ原作軸で触れられていない、ルフィが自分で傷をつける前の物語、そしてフーシャ村を拠点としていた頃のシャンクスの動向
これらの時間軸はいずれも原作で深く触れられていなくて、パラレルもくそもなく、そもそも正史に存在しないじゃん……

それなのに、そんな正史に存在しない時間軸で“ウタ”という存在しない記憶のキャラを作り出してしまったということと、2時間程度でその女の子の説明をしようとしてることで、ルフィとシャンクスとの関係が原作よりもかなり難しくなってしまってる気がする

まず、ルフィは原作軸で何よりもシャンクスの帽子を大事にしていて、シャンクスに憧れていると思ってて、でもそんな大事なシャンクスを破られるシーンでルフィはただ叫ぶだけ(は?)

ルフィはアラバスタでビビに理由はどうあれ、手を挙げているシーンがあるので「女に絶対に手を出さない」キャラでもないはずなのに帽子を破ったウタに叫ぶだけ(は??)

ルフィにとってのウタはそんなにも大切な存在で、かけがえのないものだったんですか?その存記女が?

あとシャンクスって本当に義理であるとはいえ娘を歌を世界に伝えてやれないと言う理由だけで、生きるだけでも大変そうな滅んだ島に置き去りにする男なんですかね?

シャンクスに色んな葛藤があったことは理解しても、歌よりも命を優先する人じゃないの?
自分の腕のと引き換えにルフィを助けるぐらいには、命というものを大切にしてる人間だと思うのだけれど

次に「多少の犠牲はしょうがない」と言う海軍の言い分
たしかに赤犬は言ってたけど黄猿や藤虎が同意したことはないはず
そんなに一般庶民の犠牲に抵抗がないタイプだったっけ?

ルフィとシャンクスは立派な海賊になったら麦わら帽子を返す約束をしているし、というかそこから物語始まるぐらいには大事な約束であり物語のキーポイントだと思ってたのにルフィが寝てるままとはいえ、そんな簡単に会っても良かったん?

この映画が好評なのも知ってるし、理解できないものの分かった上で私はウタに上手く感情移入出来なかったし、この映画で感動することが全くできず途中でどっちらけ〜になってしまった

この映画の主人公がルフィたちではなくウタだというのも割と序盤で理解させられたけど、もう少し原作からのキャラやキャラとの関係も大切にできなかったんですかね??
後付け流石に酷すぎん??

他の映画はルフィ達がもし違う航路を辿ったら、って感じですんなり受け入れられる時間軸でしか描かれなかったのに、今回の映画はルフィが航海する前まで描いてるので、中々受け入れづらいし、変に解釈が固まっていなかったり原作読んでなければ楽しめたかもね

まあ私、原作最新話まで読んでるけどあまり得意(好き)なタイプではないのにここまでワンピースについて語れるんだと自分でもビックリした
もしかしてワンピースのこと好きなのかも?

あとadoちゃんのことは別に好きでも嫌いでも無く歌が上手な子だなあと言う印象だったのだけれど、今回このプロモーション映画に付き合わされて本当に可哀想だなあと
まあ爆売れしてるからいいのか

これがスタンピやZ、SWより評価されてるのがよくわかんないです

2022年劇場鑑賞:33作目
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