おなべ

ONE PIECE FILM REDのおなべのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.5
◉漫画版は最新話まで読み、万全の態勢で鑑賞。

◉あらすじは割愛。監督を務めるのは『コードギアス』でお馴染み《谷口悟朗》監督。脚本には『GANTZ:O』『ONE PIECE/ゴールド』『キングダム』の《黒岩勉》。お馴染みとなったゲスト声優枠には芸能人が数名参加しており、エンドクレジットで答え合わせを。

◉劇場版オリジナルキャラの〔ウタ〕の歌う楽曲を、《中田ヤスタカ》《秦基博》を初めとする総勢7組の豪華アーティスト陣が手掛ける。歌唱は〔ウタ〕の声優も務め、今(新時代)をときめく《Ado》が担当。『ONE PIECE』のオファーが来たときに「洋服のことですか?」と勘違いしたことはここだけの話。

◉《Ado》の歌声に酔い痴れる。総計7曲を見事に歌い切り、様々な葛藤を背負う歌姫を、歌声のみで見事に体現していた。特にロック調の重低音パワフルボイスには正直痺れた。

◉ワンピファンには堪らない演出もちらほら。ただ、全体的に音楽シーンが多く、アクションを期待している人には物足りなさが残るかも。












【以下ネタバレ含む】













◉個人的には完全に後者。最近邦画アニメで流行りの音楽をメインにしたテイストは、時代の潮流に乗っかってる感(三番煎じ感)が否めず、両手放しに楽しめなかったのが本音。言い方を若干キツめにすると、ワンピースを触媒にして、アーティストらの歌や音楽のお披露目会になっており、映画オリジナルの旨味も薄れている印象。

◉昔のワンピ映画は、今ほどのカッコいい映像はないものの、作品として面白かった。最近のワンピ映画は、どうしてもネタ切れ感があり、まさしくプログラムピクチャーの典型という感じ。また、作品の質というよりは、全体的に興行を目的として製作されており、製作委員会の悪い部分が露呈。本作で、何となくワンピ映画の底が見えた感じがした。

◉さらに言うと、後付け設定やストーリー展開もガッカリ。五老星が狼狽える様は笑えるし、海軍トップやその他の名だたる海賊が、ウタやトットムジカに振り回される情けなさ。シャンクスの登場や共闘は胸熱だけど、それは漫画で描いてくれれば満足。個人的には『お祭り男爵』のカオス感や、『ストロングワールド』のエンタメ感が観たいんだ!

※ワンピファンの皆さま、落ち着いてください!全部冗談なのです!どうか、お気を鎮めて…ゴムゴムのワンピースしか勝たん!
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