はろ

ONE PIECE FILM REDのはろのネタバレレビュー・内容・結末

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽とバトル漫画のコラボレーションはめちゃくちゃ革新的で、その中でストーリーとキャラと曲を両立する難しさを感じた。でもちゃんとエンターテイメントとして完成していたし、なによりウタのキャラクターが最高だった!

アニメで音楽がっつりの作品ってどうしても音楽を聞かせつつも目に飽きさせない工夫をしなきゃいけなくて、音ハメや歌詞とのシンクロとか演出が試されるとおもっているんだけど、ウタちゃんのステージに関しては、ちゃんと可愛いダンスを見せつつMVみたいなポップな表現もありつつ曲に沿ってキャラクターの心情や性格がしっかり描かれてて魅了された。
引きの時は3Dモデル使ってるけど、寄りの時とか印象的な振り付けの時はちゃんと作画で描かれてるのがぐっときた。3Dモデルってわりと印象が平坦な感じになるけど、作画でのウタちゃんの表情の変化とか力強さがめちゃくちゃ鳥肌立った。
作画に関してはあいかわらず戦闘シーンの動きえぐいし顔ドアップからの空中エフェクトとジャンプからの敵に攻撃する直前の技出してる瞬間の表情見せて最後引きで技の威力見せ までの流れがやはり王道にかっこいい

気になった点としては、回想と現実と仮想空間の場面がごちゃついてて、テンポ重視だったからかその間の繋ぎ方がすこし違和感があった。もうすこしフェードアウトとか一度画面暗くするとかして時間と場面の切り替えを自然にしてくれるとよかった。

どうしてもウタちゃんが中心となって物語が進む関係上、ルフィの影が少し薄い気もしたかな…一味のお着替えシーンはいつ来るのかなーってワクワクしてたらまさかのウタちゃんの能力で仮想空間でのチェンジ!しかもウタちゃんが思う悪い海賊のイメージの衣装で、ローとか他のキャラも変身しててあがった。もすこしちゃんと変身後の衣装みたい!!ゾロめちゃかっこいい

これまでの尾田先生関わってる作品はフィルムZとストロングワールド大好きなんだけど、こういう系譜とはかなり違うバトル漫画のアニメとしてもかなり異色の作品だと思う。ウタという1人の人間を歌の中で理解していって彼女の心の葛藤や苦しみ、解放されたいという願いが痛いほど伝わってくる。人を笑顔にしたいってウタちゃんは言ってるけど、結局自分が解放されたい幸せになりたいっていうのが行動の動機なんだろうな。ルフィには理解できないだろうけど、現代人としては現実逃避したい仮想空間にいたい苦しみのない世界がいい!っていう気持ちはすごく分かる。でも仮想空間にはずっといられないしいたいと思わない部分もある。ウタちゃんは自身が幸せを届ける役目を求められてるからみんなを解放してあげようと思っていたけど、最後は思いが食い違って、孤独を抱えたまま自らの罪の意識から逃れたくておかしくなっていく。
結局ルフィとウタってかなり性質違うけど、シャンクスという共通して尊敬する海賊がいたから2人とも理解し合えてたんだろうな。シャンクスを嫌いと言ってるウタも本当は好きで、ルフィもウタを悪だと思わないから殴ったりしない。この2人の関係性良いです…。
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