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ONE PIECE FILM REDのNowLoadingのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.8
 本日の一本。

 この話をワンピースでやる意味とは?と首を傾げるようなストーリーラインや、整合性を潔くぶん投げる新キャラとのやり取り、シーンの繋がりをぶった切って次のシーンを力づくで縛るかなり我の強い一作。ワンピース程の強力なコンテンツをここまで私的利用できる尾田栄一郎プロデューサーが相当我儘を押し通しているのではないだろうか。これも25年という長い月日を描き続けたご褒美みたいなものなのか。

 この作品丸ごとをAdoちゃんに捧げるその姿勢も驚くべきことだがそのあまりにも重たい期待に応えるAdoちゃんの歌声も素晴らしい。「ボヘミアン・ラプソディ」を彷彿させる映画館でコンサート会場にいるかのような音楽体験が楽しめる。つまりは彼女のファンなら必見であろう。みんな言ってるけど。

 ウタというキャラクター自体は好きだ。名塚佳織の演技も良いし目がプリティで可愛らしい。シャンクスのミッシングリンクかと予告では思わせるような素振りだったが蓋を開ければ普通にアニオリの差し込みキャラだった。(ワンピの世界観でエヴァンゲリオンする彼女は正に異物)もうちょっと赤髪海賊団とのエピソードが欲しかったなぁ。

 全てはAdoのためにある映画でむしろシャンクスとの所はファンサービスに特化。どっちが主題なんだかわからないが、彼女の歌唱はガチなので行ってソンしたなーということにはならないので安心してほしい。シャンクスだけ見たかった人にとっては邪魔にしかならないかもしれないが。(しかし、麦わらの一味は皆喋りにベテランの落ち着きがあったな。もう20年やってるもんな)
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