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ONE PIECE FILM REDのおのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.6
ゲド戦記、君の名はあたりがアニメーション×歌というテーマがありつつも、近年はボヘミアラプソティーが生み出したコロナ禍におけるスタジアムへの歓喜と可能性みたいなところで細田守の「竜とそばかすの姫」があったとは思うんだけど、今回の映画は曲の強さによって興行的にも成功といえるよねみたいな成功とその反省をうまく取り入れてる。そばかすは音楽の作家性への一心同体性がパーソナルな部分もキャラに反映されてグッと引き込まれていくタイプだけど、その作家性の部分と共犯関係になっていくから音楽的な意味でも万人の評価はわかれるよねとも思っている。(もちろんスケールはメインストリーム級には調整されてはいるが)でも今回はシンガーの魅力でパーソナルな部分を引っ張り出しつつ、様々な作家が組み合わさっていくのが今回の面白味に繋がってる。個としての成熟ではなく社会の夢を集めてステップアップしていく成熟性がワンピースだからこそ選べたチョイス。だから世界の楽譜的なアプローチは正しいし納得納得。複数作家による楽曲世界をひとりのシンガーがアニメーションの中で歌う的な半ミュージカル世界観を取り入れたのは斬新だと思うけどそれ以上の飛躍はないので、そこまでと言えばそうだけど全然楽しめる。ドルビーサウンドへのマスタリングの技術だったりが上がってきた中でスタジアムエコーの質だったり観客の音とか、そういうサウンドの質を味わうだけでも映画館に行く価値はあるのは間違いなし!
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