猫エッグ

アキラとあきらの猫エッグのネタバレレビュー・内容・結末

アキラとあきら(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

初めての池井戸潤作品。

銀行の細かい話についていけるかと不安な気持ちで見始めたけど、入社時のディベートから持っていかれた。彬(横浜流星)が粉飾をした資料を、瑛(竹内涼真)が「金物は在庫に含まれません」と見破った場面。
おじ2人の粉飾に彬がブチ切れる場面は、伏線回収的でゾワッと。ここでの粉飾は、ホテルのアメニティの在庫に大きな変動がなかったこと。「来客は増えているのに、アメニティが増えていないのはどうしてですか?」って、銀行マン凄い・・・。

個人的に一番胸熱だったのは、案が浮かぶ→厳しい→別の案→やっぱり難しい→この案しかない!→稟議書が通ったぁー!の流れ。
最後に通った案は、この物語の肝だと思うから絶対に書けない・・・!

今作での土下座場面には泣いた。「同じ船に乗ってもらえませんか?」。おじの「もうやめてくれ・・・」にもうるっときた。

その他
・竹内涼真は、六本木クラスの新と似たキャラ。実直で真面目な性格。
・横浜流星かっこよすぎ・・・。ブチ切れる場面のかっこよさ最高。
・上白石萌歌ちゃんのメガネ女子めっちゃ良き。

再鑑賞(23年4月28日):

評価上げました。3.8点から4.5点(笑)ストーリーを分かっていても「何度も見たい」と思える作品。
物語もテンポも良く、キャスティングもキャストの演技も文句なし。最後に流れるback numberの「ベルベットの詩」も合わせて最高よ・・・。

瑛(竹内涼真)の父親がやっていたのはベアリング(軸受)工場。その工場は倒産してしまったけれど、瑛は当時のベアリングの一つをずっと御守りとして持っている。
身内の諍いでバラバラになってしまった東海グループが一つになれたのは、瑛が階堂家を繋ぐアイデアを提案したからだけど、その働きはまるでベアリングのよう。その構成に改めて感動した。
彬が経営することになる会社を郵船と設定したのも凄いなと思う。「同じ船に乗る」は、すなわち「(血を分けた)運命共同体」ということだから。
本当に、全てが上手い。

主役は瑛(竹内涼真)と彬(横浜流星)なのだけど、周りの人物もまた良い。
叔父さんたちも、プライドから素直にはなれないものの良心の呵責に苛まれていて、特にユースケ演じる晋おじさんの「もうやめてくれ・・・」と崩れる様子には大泣き。その場面での、アンジャッシュ児嶋演じる崇おじさんの動揺も、本当に良い。
あと、バンカーの不動さん(江口洋介)。初見では、まあ嫌な役だなぁと思っていたけど、不動さんにも行員全員の努力とそれによる銀行への信頼を守る立場があるから・・・本当に池井戸潤は人間を描くのが上手いなぁと再度鑑賞して思った。

横浜流星の演技・・・上手いよね・・・? 好きだわ・・・。
初めの方の、人情派の瑛に釘を刺すような態度から、瑛を認めていき、パートナーとして頼り、最後に握手するまで。印象が少しずつ変わっていく様子に泣ける。
おじさんたちに物申して、「粉飾だ!」と怒り、でも最後は、家族として同じ船に乗りたいと誠意を伝える、そのそれぞれの場面が迫真。
階堂彬と結婚したくなったし、横浜流星を推したいと思いました。
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