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アキラとあきらのこーたのレビュー・感想・評価

アキラとあきら(2022年製作の映画)
3.8
経営一族に生まれ育ったエリート銀行員の階堂あきらと、貧しい町工場で育った山崎アキラ。対照的な2人の宿命を描いた企業ドラマ。
小さな町工場を守る父親の背中を見て育った山崎は、銀行員がそんな厳しい状況にある会社や社員たちを救済できる職業だと考える。一方階堂は人ではなく会社にお金を貸す、あくまで数字を信じて融資をするのが銀行員と考える。2人は新入社員研修で伝説のプレゼンを繰り広げ、そこから物語は動き出す。
堅実に成果を出し出世街道を進む階堂に対して、山崎は町工場を救おうと腐心し、結果的に左遷されてしまう。しかし工場長には深く感謝され、自分の行動が間違っていないことを信じる。
そんな中で一族経営の東海グループを持つ階堂の父親が病に倒れる。ぎすぎすした家族関係の中で、中核企業の東海郵船は弟の龍馬が担うことに。しかしあきらの父をよく思わない叔父は龍馬を騙し、140億の借入を抱える経営難のリゾートホテル事業への出資を説得する。これにより東海グループは存続に危機に陥る。
父親の遺言や弟の心労をきっかけに、あきらは今まで避けてきた家族経営に一歩踏み込み、エリート街道を捨てて東海郵船の社長となる。一方山崎は社内の新規プロジェクトに大抜擢されるも、それを断り東海グループの立て直しを担当する。
その立て直し方法は、当行からの140億の出資により叔父の経営する東海商事を再びグループに入れ連帯保証を解消。その東海商事を50億でビール会社に売却。差額の90億を東海商事の収益やビール会社の新素材販路拡大によって回収する、といったものだった。

人間ドラマとしては面白いものの一塊の大手企業が50億の出資を社長稟議だけで通せるわけないのでリアリティはあまりない。同族経営は設定ガバガバにしやすいが故にドラマにしやすいよね。竹内涼真は正義感に燃える若手銀行マンとしてハマっていてしっかり爽やかイケメンでした。
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