原作漫画をこよなく愛する私から見て、本作はキャラや世界観の再現度はとても高く、漫画実写化作品としては成功の部類に入ると思います。
何より主役の2人(侑子さん:柴咲コウ、四月一日:神木隆之介)は元より、他の主要キャラについても配役が違和感を感じさせず、それぞれの役者の皆さんが良い味を出して原作のもつ独特な雰囲気、絶妙な世界観を構築してます。
まぁ原作を知る者からすると、流石にマル、モロの配役はもう少し若い(幼い)子役さんの方がベストな気がしますが(全体の中では些細な部分ですし、淫靡さは増量です)。
蜷川監督作品だけあって映像も耽美的で幻想的で、これまた原作実写化にはもってこいの監督さんでしょう。
もともとそれ程長くない原作ストーリーを、とはいえ2時間程度の上映時間枠に、その主要エピソードをコンパクトに纏め上げてます(かなり端折ってる部分もありますが)。
欲を言えば、クライマックスの舞台がまんま「チームラボプラネッツ」っぽくて、もうちょっと工夫が欲しかったかなってことと、ラストのシーンも原作どおりなので、それ自体は悪くないのですが、“画的”には何となく馴染んでないというか、演技？衣装？演出？何がどうとうまく説明できないのですが、少し違和感を感じたところであり、異なるテイクも観てみたく感じました。
かの如く、原作好きな私にとって本作の満足度はかなり高いのですが、他方で原作未読の方にはかなり解り難いものになっていて、その辺賛否が分かれてるのではないでしょうか。
本作に興味のある方は是非、原作漫画もお読みいただきたいです。
あ、原作漫画やアニメ化作品のファンの方で自分のイメージとは違う、本作を実写化作品とは認めないって人も当然にいると思います。否定しません。
上記はあくまで私個人の感想ですので悪しからず。
