とりん

ミックステープ 伝えられずにいたことのとりんのレビュー・感想・評価

3.9
2022年62本目

亡き両親が作ったミックステープを見つけたビバリーはそれを聴こうとするもテープが壊れており、収録されていた曲たちを集め、そのテープのメッセージを探すというお話。
ティーンの青春と90年台の音楽が詰まっている。
1曲1曲探してはその音楽や歌詞にのめり込み、こめられたメッセージを掴もうとする。
曲を集めるうちにはみ出しものだったビバリーに唯一無二の親友2人もできて、冴えない毎日が楽しい毎日へと変わっていく。
こういうところは典型的な王道な青春ドラマの要素ではあるけど、そこをしっかり軸に抑えつつ、音楽要素を取り入れているので、内容的にもスッと入りやすいし、音楽もノリやすい。
もちろん趣向を凝らしたり、捻りを加えた作品も好きだが、こういう王道な感じも捨てがたい。
最後の曲が両親の曲だったり、バンド結成したり、ばぁばが心を開いて過去と向き合ったり、読め読めな展開が逆に良い。
メインは親から愛されていたというメッセージを音楽を通して受け取る部分であるため、正直他の曲の掘り下げは薄いし、葛藤的な要素もそこまで描写されていない。まぁそこを前面に出すとくどくなるかもしれないが。はぐれものだった3人が揃って、可愛らしいティーンガールズの青春というのを見せられた。
やっぱり音楽を題材にした映画って大好きだなって改めて思えた作品。
とりん

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