ぶみ

メタモルフォーゼの縁側のぶみのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
3.5
年の差58歳。最初の青春、最後の青春。

鶴谷香央理の同名漫画を、狩山俊輔監督、芦田愛菜、宮本信子主演により映像化したドラマ。
二人の男子高校生を主人公としたBL漫画を通じて知り合った女子高生、うららと75歳の女性、雪の姿を描く。
原作は未読。
うららを芦田、雪を宮本が演じているほか、高橋恭平、古川琴音、汐谷友希、伊東妙子、生田智子、光石研等が登場、主演二人を始め、皆笑顔で溢れているのが印象的。
物語はBL漫画を通じて知り合った二人を中心に展開、突拍子もないような出来事が起こるわけではないが、基本悪い人は登場せず、中途半端な恋愛要素も廃されており、常に陽だまりのような雰囲気に包まれている。
とりわけ、年齢の差はあれど、主演二人のキュートさと、繊細な心情をしっかり表現した演技力は圧巻の一言。
そこに、名バイプレイヤー光石が絡み、絶妙なアクセントとなっている。
世代的にはメタモルフォーゼと聞くと工藤静香の曲を思い出してしまうものの、本来の意味はドイツ語で「変化」や「変身」。
好きなことがあるだけで、年齢なぞ関係なく、人生の輝き方が変わることを教えてくれるとともに、光溢れる縁側でメタモルフォーゼしていく二人の姿をいつまでも見ていたくなる一作。

大事なものは、大事にしなきゃダメね。
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